『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』
2015年 05月 16日
『ジュラシック・パーク』の続編だが、同じくマイクル・クライトンの書いた同名の続編小説の映画化というより、小説とは異なる映画オリジナルストーリー。小説は小説、映画は映画でそれぞれ別の正続二篇から成っていると考えた方が良さそう。
もっとも映画版の方はその後も続いているのだが。
で、続編なので「あの島」へ再び行く話なのかと思っていると、目的地は別の島。
このあたりが初見じゃ良くわからなかったのだけれども、「もう一度大冒険!」よりは「もう一つあった!」の方がインパクトがあるだろうという判断なのだろうか。
しかしその島へ行くのがあの皮肉屋のイアン・マルコムなのが何とも…。
ただし前作とはまるで別人のヒーロー然としたキャラクターに変貌してしまっているので、それはそれで違和感が。
違和感と言えば、前作の事件の元凶のハモンド氏が「善意の人」扱いなのも納得いかないし、島を訪れるメンバーが揃いも揃って自己主張が激しく、結果的に事態を悪い方へ悪い方へと導いて行くのも頂けない。
物語上の一番の悪役はインジェン社の新社長ピーター・ルドローだが、凄腕のハンターとして頼りになる存在のローランドもかなり独善的だし、ヒーロー側のキャラである筈のカメラマンのニックにしたって、自分の信念の為なら他人を危険にさらすのも厭わないように見受けられる。
これはマルカムの娘ケリーも、そして正ヒロインのサラも大なり小なり持ってる要素で、結果的に前作では「嫌われ役」ポジのマルカムが、今作では一番の常識人に見えるという素晴らしい結果に。
お話の構成も、この手のジャンルの古典「キング・コング」や、更にその原典たるコナン・ドイルの「失われた世界(ロスト・ワールド)」の焼き直しというのも物足りない。
街中でT-REXを暴れさせたのは、その当時製作中だった『GODZILLA』への対抗意識だったかも知れないけれど。
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/8915775/