『白魔女学園/オワリトハジマリ』(2015)
2015年 06月 14日
『白魔女学園』のパート2が作られると聞いた時に最初に思ったのは、同じでんぱ組.incを主演にした同じパターン、同じフォーマットを使った第2弾というものだった。
ところが実際に作られたのは「続編」。
前作のラストがラストなだけに、それを受けてどんな「続編」が作られるのか、せいぜい前作とはパラレル設定で緩く繋がってる程度なのかと思いきや、正攻法で「あの後」の物語を堂々とやるとは驚き。
前作で主要メンバーの殆どが死んでしまっているため、今回は最上もが以外のでんぱ組メンバーはゲスト扱い(前作を辛くも生き延びた成瀬瑛美だけは序盤に出番が多い)。
そのために物語を引っ張る新ヒロインとして小池里奈、市道真央の二人が登場。
坂本監督作品ではすっかり常連の仲間入りをしている二人だけに、これは適材適所の配役と言えよう。
中盤ではでんぱ組のメンバーも意外な形で復活し、また妹役の山谷花純も姉を支える役処で再登場。
それに作品全体のキーとなるキャラクターを戸松遥が演じている。
前作は舞台が学園内に限定され、白魔女同士が対決していたが、今回は敵対する黒魔女、更には謎の赤き騎士団という第三勢力まで登場する。
黒魔女は白魔女とは表裏一体、リーダーを演じる鳥居みゆきの圧倒的な存在感と、脇に控える西平風香と遠藤新菜が適度なアクセントとなっており作品に新風を吹き込んでいる。
西平風香は念願のアクションを披露ということもあって活き活きしていたし、この世界では異端となる男性キャラクターのみで構成された赤き騎士団は斉藤秀翼、富田翔、辻伊吹の3人が怪演し、これまた楽しげだった。
前作にあった身体検査や沐浴、水着のシーンや、女の子同士がキスするなどあからさまな場面はないが、漂うエロティシズムは今回も健在。
ただ前作よりはアクションよりにシフトされてる感が伺え、差別化は図られている。
物語は些か観念的になりすぎのきらいもあるが、クライマックスの一大アクションシークエンスでは涙を堪えきれなかった。
前作同様に今回も配信版が作られ、またマルチエンディング仕様になっているそうなので、ソフト化の際などにはまた楽しめそうだ。