『大阪城殺人紀行』<歴女学者探偵の事件簿> 鯨統一郎
2015年 06月 18日
『邪馬台国殺人紀行』に続いて早乙女静香、桜川東子、翁めぐみの三人組が活躍するシリーズ2作目。
「姫路城殺人紀行」、「大阪城殺人紀行」、「熊本城殺人紀行」の三篇からなる連作ではあるが、一篇一篇は独立していて時系列的な流れはあるものの、お話そのものは繋がっていない。共通しているのは千姫繋がりということだけ。
姫路城は大阪の陣後に千姫が再婚した本多忠刻の城、大阪城は正にその豊臣秀頼が死んだ城、そして熊本城は…ということだが、変な縛りを設けずにそのまま普通に短編集にしておいた方が良かったかも知れない。
三人組の会話も面白いのだが、三者の書き分けが今一つに感じられるのは関連作品がかなり増えてきたせいか?
特に静香のキャラクターが随分変わってきているので、何となく素直に楽しめなくなってきている。