『アルプス/天空の交響曲』(2013)
2015年 06月 25日
予告編などでチェックしていて「これ、観たいなあ」と思っていたのに、いざその時が来ると上映館数の少なさにうっかり見落とし、最近になってようやく近場で公開していることに気付いて慌てて観に行ってきました。

アメリカの諜報局が開発した特殊カメラを搭載したヘリコプターで撮影したそうですが、振動による画面のブレは殆どなくズーム撮影もスムーズ。まるで自分が空を飛んでいるかのような気分を味わえます。
ネイチャードキュメンタリーにありがちな「自然破壊への警鐘」といったようなメッセージ性も強くなく、また極力人類の営みを排した自然賛美な演出も見られないため、人跡未踏の地と思いきやそこで暮らす人々、あるいはそこで遊ぶ観光客の姿もカメラはしっかりと捉え、戦争の爪痕や開発の手が入った惨たらしい姿もそのまま映しだし、大いなる山のあるがままを見せてくれる構成になっています。
この手の作品は途中で退屈したり、時折眠気をもたらすことも少なくないですが、この作品に関しては1時間半があっという間でした。
この監督には他にも日本未公開の航空映像ドキュメンタリー映画があり、ドイツ本国では大ヒットを記録したそうですが、是非そちらも観てみたいものです。
【ひとこと】
日本版はナレーションを小林聡美が担当。
好きな女優さんではあるものの、ナレーション向きの声質、喋り方ではないことを認識させられた次第…。