『リトル・マーメイド』
2015年 06月 28日
悲恋モノの『人魚姫』をハッピーエンドに改変してしまった時点で、「ムチャクチャ面白いお話だァ」とは思えなくなってしまっているし、物凄く斬新な演出やキャラクター造形を施してるというワケでもないのだけれども――むしろ「新古典」と呼んだ方が良いくらいオーソドックス――、やはりアラン・メンケンの音楽の素晴らしさは特筆モノ。
メンケンの音楽がなかったら、ここまでこの作品を気に入ることはなかったろうなあ。
それだけに<日本語吹替版>リバイバル公開の際になんで歌を録り直したのかが気になって気になって。
歌詞が随分と変えられたから、翻訳に関して大元から何らかのクレームみたいなものがあったのかねぇ。
ド天然娘のアリエル、言動は可愛らしいけれどトラブルメーカーだし、彼女に自覚がないだけに罪が重い。
王子さまに対する態度だって厚かましすぎるし、普通ならウザがられるだけ。
周囲が善人ばかりだから成り立っているけれど、これが新時代のディズニーヒロイン像だったのかしらん。
幸い彼女が受け入れられた様子なので、この後は護られるヒロインじゃなく自立する・自活するヒロインが闊歩するようになっていくのだけれども。
吹替キャストを眺めると豪華な顔ぶれが並ぶ。
すずきまゆみ(鈴木真弓)や上條恒彦といった本業じゃない人たちが参加してるのは、基本ミュージカルのディズニーアニメではよくあること(『オリバー/ニューヨーク子猫ものがたり』の松崎しげるや木の実ナナとか)。
森公美子の名前を知ったのはこの作品だったっけ。
井上和彦、肝付兼太、八奈見乗児といったお馴染みの名前は安定感があるけれど、昨今のディズニーアニメだとなかなかお目にかかれない配役かなあ。
しかし森山周一郎に水島裕?!
言われてもどの役だかわからんぞ…。
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/20384641/