『ライオン・キング』(1994)
2015年 07月 12日
『ジャングル大帝』盗作騒動も記憶に新しい、ディズニー32作目の長編アニメーション。が、あくまで知らぬ存ぜぬを通したディズニーの態度は大人気ない。
影響を認めたからといって作品の価値が下がるとも思えないのだが(後に『アトランティス/失われた帝国』で盗作騒ぎが再燃する)、この対応には却って不信感が募り素直に楽しめない。
これ以降のディズニー・アニメは、本国ではヒットするが日本では泣かず飛ばずという結果が続くが、これは単なる偶然だろうか。
更なる個人的なマイナス・ポイントとしては<音楽>を挙げたい。
ディズニー・アニメ中興の祖と言える『リトル・マーメイド/人魚姫』、『美女と野獣』、『アラジン』と立続けに音楽を手掛けたアラン・メンケンに替って、今回は歌曲をエルトン・ジョン、スコアをハンス・ジマーという布陣で臨んだ。
これはこれで決して悪くはない出来だとは思うものの、どちらかというと違和感の方が先に立ってしまう。
これまでの路線とは(作品そのもののテイストもそうなのだが)明かに異質で、次回作『ポカホンタス』からは再びメンケンの登板と相成った(『ノートルダムの鐘』、『ヘラクレス』も担当)。
この作品がメンケンに適した素材だったかどうかは別にして、新機軸を打ち出したのが裏目に出たような気がしてならない。
以上、「しねま宝島」からの転載。
「しねま宝島」にも結構キツイこと書いてるが、ぶっちゃけ『ライオン・キング』ってそんなに面白いと思わないし、劇団四季のミュージカル版が何故これだけロングランなのかもさっぱりわからない。
…のだけれど、今回久しぶりに観直してみたら、案外楽しんで観ていられたのは初めて吹替版で観たからなのかな。
メスライオンの顔がみんな同じに見えちゃって、ナラなのかサラビ(シンバのお母さん)なのか途中でわからなくなっちゃったり、てなこともあるものの、ハンス・ジマーのスコアも格好良いしねえ。
あ、そうか、エルトン・ジョンの歌曲が自分的にはNGなのかな。
とはいっても『美女と野獣』などに比べると一段も二段も落ちる印象なのは変わらないなあ。