『スパイダーマン2002』
2015年 09月 16日
今回は『スパイダーマン』1作目を再見。
コミックのコマがパタパタパタ、とパラパラ漫画みたいに映し出されるお馴染み「MARVEL」のトレードマークは、この作品から使われるようになったんですね。
これ、製作会社が違っていても統一感があってなかなか洒落たものになってると思います。
さてこの作品の製作時、キルスティン・ダンストはまだ10代だった筈ですが、なまじ整った美貌だけに年齢以上に上に見えてしまったのはお気の毒。
それでブサイクだ、ミスキャストだ、と騒がれることにもなったワケですが、凡そ清純派のヒロインとは言いかねるMJのビッチ感、これは彼女ならではな気もしますね。
6歳で隣に引っ越してきた時にピーターは「あの娘は天使?」と聞いたそうですが、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の頃の彼女を見れば、それも頷ける美少女ぶり(まあ天使というよりは多分に小悪魔的要素を持ち合わせていましたが)。
長じてからは胸元ザックリの衣装もサラっと着こなし、しかもピーターの部屋からは彼女の部屋が丸見えっぽいので、あんなエロエロな娘が隣に居たら、どれだけピーターは悶々とした屈折した日々を送ってきたんだろうなあと同情を禁じ得ません。
スパイダーマンとしてですが、雨の中の彼女との初めてのキスも、濡れた服が胸にピタっと張り付いてうっすらと透けて見え、更にドキドキもののシチュエーションでしたし。
ただこういうキャラが一般的な男性観客に受けるかというと難しいし、女性観客の共感を呼ぶかと言えばこちらも微妙なんでしょうね。
なんだか彼女一人が叩かれていた、そんな印象の残るシリーズでした。
またピーターがスパイダーマンになる切っ掛けを作ったのも間接的には彼女ですし、ピーターとハリーとの友情にヒビを入れたのも彼女、グリーン・ゴブリンの人質となってスパイダーマンのピンチを招いたのも彼女…と、そのアクの強さはヒロインというよりは悪女よりのポジションなのもマイナスに働いているような…。
もっとも彼女の場合、浮気性とか尻軽女というよりは、恋愛体質というか依存症なのかなあと言う気がしますね。
飲んだくれでおそらく家庭内暴力なんかも絶えないであろう自分の家に居場所を見出せず、その結果自分を構ってくれる人を求めてるのかなあ、と。
そう考えると多少は同情の余地がありそうに思います。
そしてそんな彼女を受け入れる度量の広さが肝心のピーターにないことも悲劇と言えば悲劇。
意地を張って暴漢を見過ごしたりしなければベン叔父さんは死ななかったかもしれないし、一言かける勇気があればハリーとMJとの関係にウジウジと悩むこともなかったかもしれません。
彼がその辺りを吹っ切って大きく成長すればハッピーエンドにもなり得るところですが、それだとスパイダーマンじゃなくなるというか独自性が損なわれてしまうでしょうね。
スパイダーマンである前にピーター・パーカーであること、そんな等身大の彼の物語、それが「スパイダーマン」なのでしょう。
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