『ハルク』
2015年 09月 25日
ソニーの「スパイダーマン」、20世紀FOXの「デアデビル」「X-MEN」、それにユニバーサルの「ハルク」と製作・配給会社が違っていても、例のパタパタというマーベルのトレードマークが冒頭に出ると何となく統一感が出るのはいいもんですね。
しかしこの「ハルク」だけマーベルロゴが赤地でなく緑地なのが芸コマ。
さてこの作品、堂々たる大作の風格に溢れてます。
主役はブルース・バナーですが、真の主人公はその父デヴィッドといっても過言ではなく、ブルースは父の行動に翻弄されるだけです。
ちなみにデヴィッドというのは、ハルクがTVドラマ化された時の主人公の名前なので(原作ではブライアンというそうな)、端からW主人公という含みがあったのでしょう。
ただその風格が邪魔をしたのか、期待していただけの成績は上げられなかったようで、マーベル・サイドはリブートを決めたわけですが、もしこの作品が大ヒットしていたら、少なくても今見るような形での<マーベル・シネマティック・ユニバース>の展開はなかったわけですから、残念なような結果オーライのような…。
リブート版の『インクレディブル・ハルク』に比べると、ブルースはある程度怒りをコントロールしているようですし、ハルク化しても知識や記憶を失うこともないようです。
それにベティが傍らにいることが多く(実はブルースとベティは元恋人同士ということになってますが)、軍に囚われてるシーンが長いこともあって、孤独な逃亡者という側面は殆ど感じられません。そして基本的には受動的なキャラクターです。
どちらが人間的に深みのあるキャラクターになるか、というのは難しいところですが、この重さを反省して軽快なアクション映画としてリブートした作り手側の考えもわからないではないですね。
能動的・行動的になったからこそ、ブルースが他のキャラクターたちと関わるシーンも自然に感じられますし。
このままで行っても良かったような気もするし、リブートして正解だった気もするし…
う~ん、難しいところです。
ただ、どちらが好きかと言われれば……リブート版の方かなあ、やはり。

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