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『ハルク』

『ハルク』_e0033570_00072032.jpgソニーの「スパイダーマン」、20世紀FOXの「デアデビル」「X-MEN」、それにユニバーサルの「ハルク」と製作・配給会社が違っていても、例のパタパタというマーベルのトレードマークが冒頭に出ると何となく統一感が出るのはいいもんですね。
しかしこの「ハルク」だけマーベルロゴが赤地でなく緑地なのが芸コマ。


さてこの作品、堂々たる大作の風格に溢れてます。
主役はブルース・バナーですが、真の主人公はその父デヴィッドといっても過言ではなく、ブルースは父の行動に翻弄されるだけです。
ちなみにデヴィッドというのは、ハルクがTVドラマ化された時の主人公の名前なので(原作ではブライアンというそうな)、端からW主人公という含みがあったのでしょう。


ただその風格が邪魔をしたのか、期待していただけの成績は上げられなかったようで、マーベル・サイドはリブートを決めたわけですが、もしこの作品が大ヒットしていたら、少なくても今見るような形での<マーベル・シネマティック・ユニバース>の展開はなかったわけですから、残念なような結果オーライのような…。


リブート版の『インクレディブル・ハルク』に比べると、ブルースはある程度怒りをコントロールしているようですし、ハルク化しても知識や記憶を失うこともないようです。
それにベティが傍らにいることが多く(実はブルースとベティは元恋人同士ということになってますが)、軍に囚われてるシーンが長いこともあって、孤独な逃亡者という側面は殆ど感じられません。そして基本的には受動的なキャラクターです。


どちらが人間的に深みのあるキャラクターになるか、というのは難しいところですが、この重さを反省して軽快なアクション映画としてリブートした作り手側の考えもわからないではないですね。
能動的・行動的になったからこそ、ブルースが他のキャラクターたちと関わるシーンも自然に感じられますし。


このままで行っても良かったような気もするし、リブートして正解だった気もするし…
う~ん、難しいところです。
ただ、どちらが好きかと言われれば……リブート版の方かなあ、やはり。

『ハルク』_e0033570_10191343.png
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/8779042/


by odin2099 | 2015-09-25 00:09 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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