『サイボーグ009VSデビルマン』(2015)
2015年 10月 20日
というワケでイベント上映にやってまいりました。
この後ソフトもリリースされますが(劇場では先行販売を実施)、そちらの方が時間の長い<ディレクターズカット版>なんだそうで、そうなると劇場で見せる意味は…?
ともあれお話は『サイボーグ009』は「ミュートス・サイボーグ」編の後、『デビルマン』は「ジンメン」のエピソードの後に置かれ、このコラボレーションしたエピソードを挟んで、またそれぞれの原作に戻るという形。
『009』サイドではブラック・ゴーストの新たな刺客、0014から0017までの<ハイティーンナンバー・サイボーグ>が登場し、『デビルマン』サイドにはアモンと因縁のあったアトゥンやリリスという新たなデーモン族が出てきます。
単純にデーモンとブラック・ゴーストが手を結び、それに対抗してデビルマンと009たちが共闘するという流れではなく、究極のサイボーグ戦士を創ろうとしてデーモン族の戦士を召喚し、その結果最悪の事態に陥るという流れは一捻りしたな、というところですね。
思ったよりも『009』と『デビルマン』の融合は上手く行っていて、00ナンバー・サイボーグたちにも、飛鳥了や牧村美樹にもきちんと見せ場が用意されているのはお見事。
まともにぶつかりあえば009たちとデビルマンでは戦力比がありすぎるかなあという気もしますが、初戦は痛み分けで終わらせ、クライマックスでの共闘でワクワク感を演出してるのは良いと思いました。
欲を言えば『009』サイド、『デビルマン』サイド双方のエピソードのボリュームが多いが故に、それらが合体した時に舌足らずの印象を受けることですが、まあこれは言っても詮無いことでしょう。
ただキャスト陣に馴染みが薄いのと、石ノ森章太郎タッチでも永井豪タッチでもないキャラクターデザインには大いに不満が残るところ。これでは「夢の共演」の有難味が薄れるというもの。
また音楽もこれといって特徴に残るものがないのも残念。
無理を承知で言えば、かつてのTVアニメ版の主題歌のメロディをちょこっとでも流してくれればオールド世代は「おおーっ」と思うんですがねえ。
そもそもこんな企画、若い人向けじゃないでしょ。
【ひとりごと】
002の加速装置設定が復活してるのは嬉しい。
また009は「加速装置!」と何度も叫んでますが、原作準拠にしたとはいえ、このノリなら不動明も「デビール!」と叫んで変身したり、「デビルビーム!」とか叫んでも良かったかもね。
◆『サイボーグ009vsデビルマン』 五つ星評価で【★★★合作物としては善戦したが美味しい所はデビルマンに取られた。思ったよりは悪くはないが、まあ、これなら許してあげまし ...... more
【声の出演】 浅沼 晋太郎(不動明/デビルマン) 福山 潤 (009/島村ジョー) 早見 沙織 (牧村美樹) 市道 真央 (003/フランソワーズ) 日野 聡 (飛鳥了) 【ストーリー】 ブラックゴーストにより改造人間(サイボーグ)と化した009たちは、葛藤し...... more
見たよ。見ましたよ。 見に来てた人の平均年齢高くてワロタ。(含む自分) 大半が子供の頃に新ゼロ(1979年版TVシリーズ)を見てましたって感じの世代で、平ゼロ(2001年版)世 ...... more
「デビルマン」は作画が荒れてようが、キャラクターが破天荒な行動を取ろうが、おそらく作品として破綻することはないだろうけど、「サイボーグ009」の方はお約束事とかキャラクターのイメージとかがしっかりついているので、なかなか制約が多くて冒険させにくいっていうことはあると思います。
これは「RE:CYBORG」の時も思ったけど、ギルモア博士がドライすぎる、とかね。
でも「RE:CYBORG」が00ナンバー全員を活躍させられなかったのに比べると、とりあえず出番を与えたのは評価しても良いかな。