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『日本ローカルヒーロー大決戦』(2015)

煉獄天魔王と四魔神が復活!その圧倒的な力前にヤツルギが敗れた。
ヤツルギを救い魔王を倒すため、日本中のローカルヒーローたちが力を合わせて立ち向かう!

さてさて、一体どんなヒーロー映画になっているのか興味津々で観に行ってきた。
全国から80名以上のヒーローが集まっているということは、数字的にはあの『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』にも決してひけを取らない?

『日本ローカルヒーロー大決戦』(2015)_e0033570_19272142.jpgどうやってローカルヒーローたちを関連付けるのかなと思っていると、事件の発端がローカルヒーローたちが集うイベント会場。つまり皆さん元々面識あり、ということになってるんですな。
上手いというかズルいというか。
そして中心になっているのが映画の製作母体にもなっている『鳳神ヤツルギ』、千葉県は木更津市のローカルヒーローで、このレギュラーキャストたちが一応映画の主人公となってるので事実上は『ヤツルギ』の劇場版ってことなんだろう。

といっても最初にヤツルギがやられてサア大変。
てなワケで悪の魔王の手下どもに対してローカルヒーローたちが立ち向かうんだけど、この大乱戦では動けるヒーロー、動けないヒーロー、体型に問題のあるヒーロー、造形に問題のあるヒーローも等しく頑張ります。
撮影は大変だったかも知れないけど、やってる連中はみんな楽しんだんだろうなあ。

その中でも何組かがピックアップされ、準主役級の見せ場が与えられます。
時空戦士イバライガー(茨城県)、甲州戦記サクライザー(山梨県)、パワーシティオーイタ(大分県)、坂東武人武蔵(埼玉県)、安芸戦士メープルカイザー(広島県)、ハルサーエイカー(沖縄県)、横浜見聞伝スター・ジャン(神奈川県)、聖霊法士トチノキッド(栃木県)、サーモンファイタールイベ(北海道)、浪速伝説トライオー(大阪府)、超耕21ガッター(新潟県)、ダルライザー(福島県)、電撃!!ライデンマル(東京都)らが出番の多い連中。
ふう、見ていて誰が誰やらサッパリなので、一応パンフで確認しながらだったけど合ってる?

なんで彼らだったのか、そこらへんの選定基準はよくわかりませんけど(あ、「ライデンマル」は「ヤツルギ」と同じスタッフが作ってるからだろう)、それぞれ四魔神に苦戦するものの何とか協力して必殺技を見舞って勝利。
そしてクライマックスは天魔王とヤツルギの一対一の対決。
大ピンチを迎えるが、最後の最後にはみんなのパワーを貰って逆転勝利!
という王道のヒーロー映画になってたのでメデタシメデタシ。

上映時間は70分くらいだと思うけど、その大半がアクションシーン。
そのアクションも各キャラクターで見せ方の差異があるワケでもなく、またその技量にも格差ありなのでスタントそのものは凄くても流石に延々とだと飽きてくるし(CG合成とか頑張ってるんだけどね)、ドラマ部分にしたってプロの俳優さんが何人いるのか知らんが素人臭い演技ばかりで学芸会レベルの自主映画。
――ではあるもののその辺は端から期待してないし、「何かをやろう」という熱意だけは伝わってくるので良しとしよう。

クラウドファンディングでの製作資金集めや、興行収益の一部をポリオワクチンを送る活動へ支援するといったやり方が結構賛否両論らしいが、好きなことをみんなで集まって熱中しながらやる、ということ自体は悪いことじゃないと思う。
後に続く作品企画があるかどうかはわからないけど、「新たなヒーロー伝説が生まれる」というコピーに偽りのない作品にはなっているんじゃないかな。

【ひとりごと】
「日本ローカルヒーロー大決戦」を謳うなら、47都道府県から最低一組ずつヒーローを呼ぶとかしても良かったと思う。
それに有名どころのヒーローが結構いないけれど、権利関係とか面倒くさいんだろうか。



by odin2099 | 2015-11-16 19:44 |  映画感想<ナ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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