
ブレイドの活躍に業を煮やしたヴァンパイアたちは、ヴァンパイアの始祖=ドラキュラ復活を目論む。
併せて周到な用意をもってブレイドを罠にかけることに成功。
ヴァンパイアではなく手下の人間を殺してしまったことでブレイドは指名手配され、FBIと警察の連携作戦の最中に相棒のウィスラーは殺され、自らも囚われの身となってしまう。
だがそんなブレイドの窮地を救ったのは、<ナイトウォーカー>と名乗るヴァンパイアハンター集団だった。
元々ブレイドは『吸血鬼ドラキュラ』を原作とするコミックの登場人物だったんだっけ?
劇中でも(何故か)そのコミック誌がチラっと登場するけれど、最大の敵役登場!という感じでオープニングから期待も高まる。予算も増えたのか画面作りも派手になったような気もするし。
しかし復活したドラキュラ(=ドレイク)は態度こそでかいものの、さしたる見せ場もナシ。
ブレイドも相変わらず強いんだか弱いんだかわからないと来ているので、全体としてなんだか盛り上がらない。
一作目からずっとコンビを組んできたウィースラー老人もあっけなく退場させちゃうし、三作目に来てシリーズもとうとう息切れか?

その一方で、これまでウェズリー・スナイプスのワンマン映画の色が濃かったシリーズにも新風が吹きこまれ、
ジェシカ・ビール演じるアビゲイルと、
ライアン・レイノルズ演じるハンニバル・キングの二人が助っ人参戦。
アビゲイルはウィースラーの娘という設定のようだが、特殊な弓を武器にヴァンパイアたちをバッタバッタとなぎ倒す。
この強さ、ブラック・ウィドウを凌ぐかも。
ハンニバル・キングはお喋り好きで、説明係とコメディリリーフを兼ねた役回りで少々ウザイものの、意外にタフで美味しいところは浚っていく。
こちらは原作準拠のキャラクターのようで。
ということで、愉しさという点ではシリーズ随一かもしれないけれど、映画の出来としては有終の美は飾れなかったかな。
金は掛けてるんだろうけど。
あ、それに「有終の美」と書いたけれど、宣伝では「これが最後の戦い」「シリーズ完結編」を謳い文句にしていたけれど、映画そのものは特に「最後」を意識した締めくくりにはなっていないし、実際この後で続編としてTVシリーズが作られているのだから、単なる方便だったのかな。

【ひとりごと】
現在は映画化権がマーベル・スタジオに戻ってきていて再映画化の噂もあるものの、『アベンジャーズ』の世界観と上手く馴染むかどうか。
ただウェズリー・スナイプス自身はやる気満々なので、下手にキャストの変更は出来なさそう。
となると既存の映画シリーズ(とTVシリーズ)との整合性をどう取るのかも気になるね。