『サイボーグ009』(1966)
2006年 01月 05日
翌年に映画第2弾の『サイボーグ009/怪獣戦争』が公開され、その後モノクロでしたがTVシリーズに続きます。
さらに時代が下って1979年にカラー版のTVシリーズがあり、次いで『サイボーグ009/超銀河伝説』という映画も作られ、さらにさらに最近三度TVシリーズになっています。
今年は長年話題になっていた<完結編>がようやく小説という形で日の目を見そうですし、個人的には”009イヤー”にしたいくらいなんですけれどね(笑)。<完結編>を漫画で発表する予定はないとのことですから、是非ともそちらのアニメーション化は実現して欲しいと思っています。
まぁそこまで考えていたわけではないんですが(苦笑)、昔のビデオテープを引っ張り出してきました。
原作序盤の展開、島村ジョーが009へと改造され、ギルモア博士や他のメンバーと共にブラック・ゴーストの基地を脱出、追手を振り切るまで、を約1時間でまとめています。設定の簡略化、変更などはあるものの、なかなか手際よくまとめられているので、原作を知らない人にも作品のアウトラインは掴める作りになっているとは言えるでしょう。
ただ、漫画原作のアニメ化においてキャラクターのデザインを全くといって良いほど変えてしまうのは、やはり許しがたい行為かなぁとも思えます。そうなんです、片目を隠した特徴ある髪型のジョーは、ここで前髪を上げて両目パッチリのキャラクターに修正されているのです。これは当時のアニメーターの力量では、原作のタッチを上手く表現出来ないからという理由らしいのですが、これは製作サイドの奢りじゃないのかなぁと常々感じているんですがね。他のキャラはそれなりに描き分けているのですから、端から自分たちの描きやすいように描くと決めていたとしか思えないのですが。今日では先ず受け入れられない改変(改悪)でしょう。
殊に自分は原作から入ったクチですし、その後でこの作品を見、そして比較的すぐ後に原作のイメージを残した1979年版のTVシリーズを見てしまっているので余計拒絶反応が強いのかもしれませんが、もしリアルタイムで、原作を知る前、特に子供の頃にこの作品を見ていたら、きっと夢中になってしまったとは思います。今日の目で見れば表現の古さが気になるとは思いますが、娯楽作品としての水準はクリアしています。これは石ノ森章太郎の原作の良さもありますが、東映動画黄金期を支えたベテラン演出家・芹川有吾の手腕の賜物です。