『忠臣蔵/花の巻』(1962)
2015年 12月 14日

しかしテレビ欄を眺めていても、「忠臣蔵」や「赤穂浪士」を冠した番組が特に放送されるわけでもなさそうなので、自発的に「忠臣蔵」映画を一本チョイスして鑑賞。
東宝創立30周年記念映画、東宝オールスター総出演の一篇。
何がオールスターかというと、主だった出演者だけで松本幸四郎(松本白鸚)、加山雄三、三橋達也、宝田明、夏木陽介、佐藤允、高島忠夫、河津清三郎、志村喬、加東大介、小林桂樹、池部良、原節子、司葉子、団令子、星由里子、白川由美、水野久美、浜美枝、藤山陽子、池内淳子、淡路恵子、草笛光子、新珠三千代、森繁久彌、フランキー堺、三木のり平、柳家金語楼、益田喜頓、八波むと志、由利徹、南利明、山茶花究、有島一郎、小泉博、藤木悠、久保明、平田昭彦、佐原健二、太刀川寛、江原達怡、中丸忠雄、堺左千夫、土屋嘉男、藤原釜足、田崎潤、藤田進、上原謙、児玉清、伊藤久哉、天本英世、桐野洋雄、田島義文、沢村いき雄、小杉義男、沢村貞子、市川染五郎(九代目松本幸四郎)、中村萬之助(二代目中村吉右衛門)、二代目中村又五郎、二代目中村芝鶴、市川團子(二代目市川猿翁)、八代目市川中車、三船敏郎…と綺羅星の如し。
で、この皆さんが単なる顔見世ではなく、それなりに出番というか見せ場があるのだから恐れ入る。あちらこちらに知った顔があるのは単純に観ていて愉しい。
短期で曲ったことの嫌いな浅野内匠頭役の加山雄三と、欲深で憎々しいばかりの市川中車の吉良上野介、内匠頭を庇いだてる脇坂淡路守の小林桂樹に、同じく内匠頭に同情的な伊達左京亮の久保明、なんていう前半メインとなる配役だけでもなかなかのもの。しかも音楽が伊福部昭なので特撮ファン的にも満足。
ただ主演は、先年松竹から一門を率いて移籍してきたばかりの松本白鸚というのが東宝らしからぬ点で、息子の幸四郎・吉右衛門兄弟も脇役ながら揃って出演。もっともこれでかえって新鮮味があるキャスティングとも言えるかも。
この映画は以前にテレビで一度観たことがあるのだが、その時に放映されていたのは<海外版>とかいう短縮・再編集されたものだったので、全長版となると今回がお初。
ただ時間の関係で前編だけしか観られなかったので、続きはまた。
内蔵助が妻と子供たちを離縁して、いよいよ討ち入りへ向けて物語は動き出す。