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『美しき諍い女』(1991)

『美しき諍い女』(1991)_e0033570_19140771.jpg隠棲した老画家フレンホーフェルの元を、若き画家ニコラとその恋人マリアンヌが訪れた。
マリアンヌを見て久々に創作意欲を掻き立てられたフレンホーフェルは、かつて妻のリズをモデルに描き始めたものの挫折した「美しき諍い女」に再び着手することを決意する。
自分に無断でモデルの件を承諾したニコラに腹を立てながらも、マリアンヌは毎日フレンホーフェルのアトリエに通うことに。
だがニコラは次第にマリアンヌを失うことを恐れるようになり、リズもまた自分の存在が否定されかねないことに恐怖を覚えるようになる。
マリアンヌを”解体”して作品を生み出そうとしていたフレンホーフェンだったが、やがて立場が徐々に逆転しマリアンヌが主導権を握ってゆく。
そして遂に絵が完成した――。

先ごろ亡くなったジャック・リヴェット監督の作品で唯一見ている作品で、追悼の意味も込めてDVDで再観賞。
4時間の大作だが大きくドラマが動くというようなこともなく、その大半はアトリエ。
画家とモデル、一対一の静かなる戦いが描かれていくのだが、流石にこれは辛い。
よく劇場で我慢して観続けたものだと当時の自分の忍耐力に感服する。

それもこれも出演シーンの大半を全裸で演じきったエマニュエル・ベアールに負うところが大きい。
彼女の肢体の美しさは特筆もので、それを見るためだけでも4時間は耐えられるというもの。
ただ即物的なエロティックさは皆無に近く、ひたすらその美を愛でるのみ。

『美しき諍い女』(1991)_e0033570_19153914.jpgなお、『美しき諍い女/ディヴェルティメント』という短縮版(といっても別テイクを使ったり、シーンの順番を入れ替えたり、台詞を差し替えたりした別ヴァージョン)もあり、そちらも劇場で鑑賞しているが、単純に長さの点から言って見やすいのはそちらになるだろうか。

【ひとりごと】
大変魅力的なマリアンヌだが、喫煙シーンが頻繁にあるのには幻滅…。
by odin2099 | 2016-02-08 06:13 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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