『アンナプルナ南壁/7,400mの男たち』(2012)
2016年 02月 11日
2008年5月、その魔のルートを選んで山頂を目指していたベテランの登山家が、高山病で倒れたとの緊急連絡が同行者から入った。
「友の危険を見捨てておけない」とその救難要請に世界各国の登山家10人以上が即座に応じ、自らの危険も顧みず山に向かってゆく。
その中には遭難者と親しい者もいれば、面識がある程度の付き合いという者もいるが、それでも当然のように彼らは躊躇なく過酷な山に挑んでゆく。
決死の救出劇の関係者たちの証言を集め、当時の貴重な映像を織り交ぜたドキュメンタリー。
もしかすると自分も死ぬことになるかもしれないが、「人として当然のこと」と語る彼らのメッセージが熱い。
また当事者たちのコメントにもあるが、これを単純な「美談」仕上げにしなかった姿勢には好感が持てる。
ただ実際の山での映像が少なく、どういう場所や状況だったのかが見ている側に伝わりにくいのが残念。