『ファンタジー・フィルム・スペクタキュラー2016』
2016年 04月 17日
演奏は首都圏の音大の学生から構成された東京ガーデンオーケストラで、指揮は榊真由、コンサートマスター高宮城凌、監修と司会は神尾保行で二部構成。
実は昨年に続いて二度目の開催だとか。

「コロンボ」はあの口笛のようなフレーズが印象的ですが、わざわざ当時使ったシンセサイザーを特定して再現するという力の入れよう。
「過去への窓」は個人的に大好きな物悲しいメロディなので、これが生で聴けたのは嬉しい限りです。
ジョン・ウィリアムズ作曲の「ドリームワークス・ロゴ」に続いて演奏されたのは、ジョン・パウエル「ヒックとドラゴン」組曲(バーク島/ロマンティックな飛行/また明日/テスト飛行)。
サントラ持ってないし一度見ただけなので「こんなメロディだったっけ?」というのが正直な感想です…。
次はジョン・ウィリアムズ繋がりなのか「スター・ウォーズ:エピソード7 フォースの覚醒」組曲(レジスタンス・マーチ/レイのテーマ/ジェダイへの階段/Xウィングのスケルツォ)。
あえて定番のテーマを外してますが、これがEP7を代表するメロディ群ということになるんでしょうね、貰った他のコンサートの演奏曲目も同じ選曲になってました。なんと今回が世界初演なんだそうです。
映画音楽コーナーの最後はハンス・ジマー作曲「インセプション」(タイム)。この映画、見てないんですよね…。
第一部のトリは「サンダーバード TV オリジナル・サウンドトラック・スコア」。
先日発売されたCD『サンダーバード音楽集~オリジナル・スコアによる』も、実はこのオケの演奏です。
今回は「オープニング・タイトル」、「SOS原子旅客機」組曲(フッドとファイヤーフラッシュ号/ファイヤーフラッシュ号の着陸)、「死の谷」(東南アジア道路でのドラマ)、「イージーリスニング・ラジオ・ミュージック」、「ジェット・モグラの活躍」組曲(ゴングの命運/危険な穴/救助!)の抜粋と劇場版から「ゼロXのテーマ」が演奏されました。
「オープニング・タイトル」の前にはカウントダウンと「サンダーバーズ・アー・ゴー!」のコールをやらされましたが、こういうのは難しいですね。まだ「皆で歌いましょう」の方が楽だし盛り上がります。
第二部は「スター・トレック生誕50周年スペシャル」と題した企画コーナーからスタート。
ジェリー・ゴールドスミス「スター・トレック・ザ・モーション・ピクチャー」メイン・タイトルで幕を開け、アレクサンダー・コーレッジ「宇宙大作戦(TV)」テーマ、デニス・マッカーシー「デープ・スペース・ナイン」テーマ、デニス・マッカーシー「ジェネレーションズ」テーマ、ジェリー・ゴルドスミス「スター・トレック・ヴォイジャー」テーマと演奏され、最後はマイケル・ジアキーノ「イントゥ・ダークネス」テーマまで一気呵成。
雄大なものから勇壮なものまで、これだけシリーズ作品の曲を連続して生で愉しむ機会はそうそうないと思います。
それに続くコーナーは「ジェームズ・ホーナーを讃えて」。
昨年突然の事故死を遂げてしまったホーナー作品を大特集。
先ずは「エイリアン2」(メイン・タイトル/リプリーの救出)、そして「タイタニック」(航海へ、ミスター・マードック!)、「アポロ13」(メイン・タイトル/エンド・タイトル/奇跡の着水)と続き、「トロイ」組曲(トロイ/リメンバー/トロイ軍の攻撃)、「アメイジング・スパイダーマン」(ルーフトップ・キス)、最後は「アバター」組曲(イクニマヤ/夜の生物発光/戦争)で締めとなりました。
ホーナーにはジェリー・ゴールドスミスやジョン・ウィリアムズに次ぐ巨匠として、これからも健筆を奮って貰いたかったですね。その昔”若き才人”と呼ばれていた頃から注目していただけに、まだまだという年齢での不慮の死は実に惜しまれます。
アンコールはホーナーが担当した「レジェンド・オブ・フォール」。
随分と地味な選曲だなあと思っていたところ、最後にもう一曲ということで、「サンダーバード・マーチ」。
やはり最後は盛り上がる曲でないと!
15分の休憩を挟んだとはいうものの、開演が13時で終演が16時近く。真に盛り沢山の贅沢なコンサートでした。
アマチュアのオーケストラとはいえ、その迫力の演奏はプロとは遜色なし。というか素人耳には十分お金を取れるレベルに聞こえました。長丁場、お疲れさまでした。
開演前と幕間にはロビーで演奏してくれたりとサービス精神も旺盛。今後もちょっと応援してあげたくなるオーケストラです。
昨年のコンサートのことは全然知らなかったのですが、演奏された曲目を見ると「ジェームズ・ボンドのテーマ」「ミッション:インポッシブル」「グレムリン」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ジュラシック・パーク」「サンダーバード」などに混じって「スペース・バンパイア」やら「ゲーム・オブ・スローンズ」「ある日どこかで」などもセレクトされていて通好み。というか「宇宙空母ギャラクティカ」や「宇宙の7人」なんて、ホントに誰得?という構成。これは是非とも聴いておきたかったです。
また次なる企画を楽しみに待ちたいところです。