『本能寺の変 秀吉の陰謀』井上慶雪
2016年 04月 18日
続編ではなく先に出たのはこちらで、それが加筆されて文庫になった。
明智光秀と織田信長の関係は良好で、光秀には信長に反旗を翻す理由がないこと。
「本能寺の変」前後の光秀の行動からはビジョンが見えないこと。
それはとりもなおさず光秀の意図した行動ではなく、冤罪だったことの傍証。
一方で何事も先手先手を取った羽柴秀吉の行動は不可解。
また秀吉と連携を取っていたかに思える公家や茶人、畿内の諸将の動き…
ということで、全ては秀吉が仕組んだこと、というのが本書の結論です。
専門家ではないので「こういうこともあるのかな」「こういう考え方は面白い」「これはヘンじゃないの」といった感想しか出てこないが、一つだけ引っ掛かったのが安土城放火の真犯人が蒲生氏郷とされていること。
氏郷が秀吉に同調し、信長排斥に絡む動機はなんなんだろう?
信長の女婿としてそれなりのポジションにいた人物だと思うのだが。