『スノーホワイト／氷の王国』（2016）

魔法の鏡を手に入れた女王ラヴェンナ（シャーリーズ・セロン）は、周囲の王国を次々と乗っ取っていった。

ラヴェンナの妹フレイヤ（エミリー・ブラント）は姉と対照的な性格ながら、その裡には強力な魔力を秘めている。

ラヴェンナは策略を用いてフレイヤの心から愛を奪い、その魔力を解き放つ。

魔力に目覚めたフレイヤは恐るべき氷の女王として君臨し、各地から浚ってきた子供たちに愛を捨てさせ、自分への忠誠を誓わせた上で最強の戦士として育てていった。

その中で最強なのがエリック（クリス・ヘムズワース）とサラ（ジェシカ・チャスティン）の二人だったが、いつしか二人は愛し合うようになっていた。

だがそれもフレイヤの知るところとなり、サラは殺害されエリックも重傷を負わされ追放される。

それから７年後、ラヴェンナはスノーホワイトに敗れ王国に平和が甦った。

しかし魔法の鏡の力は消えておらず、それを案じたスノーホワイトは鏡をサンクチュアリへ移送することを決断する。

だが運搬を命じた部隊が戻らず、不安を覚えたスノーホワイトはウィリアム（サム・クリフリン）を介してエリックに鏡の捜索を命じる。
エリックはフレイヤの手に鏡が渡ることを恐れ追跡を開始したが、その前に立ち塞がったのは何と死んだ筈のサラだった…！

『スノーホワイト』の続編で、脚本はエヴァン・スピリオトポウロスとクレイグ・メイジン、監督はセドリック・ニコラス＝トロイヤン。
他にニック・フロスト、ロブ・ブライドン、シェリダン・スミス、アレクサンドラ・ローチ、ソープ・ディリス、サム・ヘイゼルダイン、ソフィー・クックソンらが出演。

実は『スノーホワイト』の続編だけでなく、前編でもあるという歪な構成。

劇中では空白になってる７年間に前作『スノーホワイト』が入るというややこしさで、これはスノーホワイト役のクリスティン・スチュワートが降板しちゃった弊害だろう。

スノーホワイト本人も名前と後ろ姿（と回想シーンで一瞬チラリと）が映るだけ。

そういや当初は三部作だという話だったから、元々『スノーホワイト』の前後の話で一本ずつ作るつもりだったのかも知れない。

画面は綺麗だし、決してつまらないお話だとは思わないのだけれども、もうスノーホワイトが直接出てこないから『白雪姫』でもなんでもない。

『ロード・オブ・ザ・リング』やら『ナルニア国物語』やら『マレフィセント』やら『アナと雪の女王』やら、色々なところからかき集めてきました感が凄まじい。

ラヴェンナに妹がいたという後付け設定は無理矢理だし（肉親は弟だけだったんじゃ？）、エリックとサラの関係は明らかに前作とは矛盾しちゃう。

もう少し上手く組み立てられなかったものかねえ。

結局はソーとは一味違う（ようでそんなに違わない？）クリス・ヘムズワースと、シャーリーズ・セロンとエミリー・ブラントの最凶姉妹を愛でる映画、かな。

ジェシカ・チャスティンは言うほど美人だとは思わないんだが。

鏡が壊れて今度こそラヴェンナ女王はお役御免かなと思うものの、思わせぶりなナレーションがラストに被ったりで、＜スノーホワイト・クロニクル＞を名乗るくらいだから、まだ続編作る気かな。
シャーリーズ・セロンに匹敵するような美女というと、今度はニコール・キッドマンでも引っ張ってくるか？
とはいうものの、興行成績も作品の評判も決して芳しいものとは言えないようなので、これでオシマイにしておいた方が無難かも。

前作同様これも吹替版で見たけど、メインキャストは変更。
杉田智和、田中敦子、水樹奈々、朴璐美と、やっぱりこうでなくっちゃね。