『素晴らしき空想特撮映像の世界』 宮内國郎/冬木透
2016年 06月 27日
『交響詩ウルトラセブン』に関しては単独(といっても劇中使用のクラシック音楽とのカップリング)のCDもあるし、コンサートのライヴ盤もあるのだが、今回の特徴は2枚組となっていること。
1枚目は宮内國郎サイドとして『交響詩ウルトラマン』と、これが初CD化となった『交響組曲恐竜』とのカップリング。『交響組曲恐竜』は当時の円谷プロ社長・円谷皐のプロデュース盤で、本来はウルトラマンとは何の関係もない企画盤だったのだろうが、映画『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』に楽曲の一部が挿入されたことで、ファンの知名度は高いだけに待望の復刻。
自分はリアルタイムでLPレコードを入手していたものの、ぶっちゃけあんまり気に入らなかったこともあって早々に聴かなくなって手放してしまっただけに、おそらく耳にするのは30年ぶりぐらい。
残念ながら「懐かしい」以上の感慨はないが、これを機にまた聴きこむようになれば違った思いも生まれてこよう。
しかし当時からなんで「恐竜」を題材にしたレコードなんか、と思っていたのだけれども、どうやら皐社長が大の恐竜好きなんだそう。
そういえばこの頃は『恐竜探検隊ボーンフリー』、『恐竜大戦争アイゼンボーグ』、『恐竜戦隊コセイドン』といった俗に<恐竜三部作>と呼ばれる作品を送り出していたんだっけ。
2枚目は冬木透サイドとして『交響詩ウルトラセブン』と、これが初お披露目となった『交響詩帰ってきたウルトラマン』を同時収録。
注目は勿論新規録音となった『交響詩帰ってきたウルトラマン』だが、こんなものをいつの間に?と思っていたら、実は録音自体は2年以上前に行われていたそうなのでお蔵入りしていた一品?
企画・選曲が庵野秀明で、演奏は東京室内管弦楽団名義。
『帰ってきたウルトラマン』の音楽がステレオで聴けるのは嬉しい反面、選曲・構成が自分の『帰ってきたウルトラマン』の音楽イメージと違うことと、他の音源に比べて音に厚みがないというか編成が薄いんじゃないか(録音メンバーに関するデータがないので、何人編成で演奏したのかは不明)、という点で軽い失望感も味わった。
ここまでくればどうせなら『交響詩ザ・ウルトラマン』と『交響曲ウルトラコスモ』も収録してくれれば良かったのだけれども、まあ多くは望むまい。





