『円谷プロ特撮DVDコレクション01 ヒーロー誕生!』
2016年 07月 10日
今日は「ウルトラマンの日」ということでやっと鑑賞。
第1巻には「ウルトラマン」「ウルトラセブン」そして「ミラーマン」の第1話を収録。
「ウルトラマン」第1話「ウルトラ作戦第一号」
宇宙から謎の赤い玉と青い玉が地球に飛来。
調査に向かった科学特捜隊のハヤタ隊員が乗るビートル機と赤い玉が激突!
前兆となる不思議な事件が起きたり怪獣が出現したりということではなく、いきなりハヤタとウルトラマンとのファーストコンタクトを持ってくる導入部はかなり新鮮。他の作品ではあまりないパターンだ。
ハヤタを心配するホシノ君に気休めを言うムラマツキャップや、ハヤタが死んでも(?)悲しみの感情を表に出さないアラシやイデの態度に違和感を覚えたりと色々あるけれど、ウルトラマンとベムラーの対決に絞った作劇は、最初のヒーロードラマとして評価出来ると思う。この構成のどこまでが関沢新一脚本で、どこから金城哲夫がリライトしたのかは気になるが。
ところで竜ケ森湖って大きくて深いんですねえ。埼玉県にあるんだっけ?
「ウルトラセブン」第1話「姿なき挑戦者」
相次ぐ人間消失事件を宇宙人の仕業と断定した地球防衛軍は、ウルトラ警備隊に調査を命じる。
出動したフルハシとソガの両隊員は宇宙人に襲われるが、モロボシ・ダンと名乗る風来坊に救われる。彼によれば敵は地球人を研究のために浚っているというのだが…
「ウルトラマン」と違ってこちらは既に何かが起きており、その捜査の過程で様々なことが明らかになっていくというミステリー仕立て。
地球防衛軍の上層部に藤田進、佐原健二、宮川洋一、平田明彦らを配し、こじんまりとした家庭的な雰囲気の科特隊と、大規模な組織であるウルトラ警備隊との差、そして地球の置かれている危機的状況を強調。この緊迫感は素晴らしい。
その割に明らかに偽名を名乗る風来坊を、ろくに身元確認せずに入隊させてしまうギャップが何とも…。
ウルトラホーク1号の合体・分離シークエンスをもっと上手く見せられないかなとか、ウィンダムの出番はいらないから(ここでカプセル怪獣の設定を説明する必要があったのだろうけど)セブンの活躍をもっと見せるべきだろうとか、音楽をもっと鳴らすべきだとか、終わり方が尻切れトンボだとか、不満点は多々あれど全体的な完成度は<ウルトラシリーズ>のオープニングでは上位に位置すると思う。
「ミラーマン」第1話「ミラーマン誕生」
世界各地で異常現象が発生していた。カメラマン鏡京太郎も不思議な事件に遭遇する。
京太郎は育ての親・御手洗博士にそのことを相談する。博士はかつて地球の危機を訴え、それに備えSGMという組織を組織していたのだ。
博士はこの異常現象はインベーダーの仕業であることと同時に、京太郎の両親にまつわる驚くべき秘密を告げる。彼は二次元人の父と人間の母の間に生まれたミラーマンであるというのだ…!
「ウルトラマン」というより「ウルトラセブン」のムードを持った第1話で、状況説明の過程も似ている。
自分が普通の人間じゃないことを知った京太郎の苦悩と決意、<ウルトラシリーズ>の持つ明るさや華やかさとは違う作風はただの亜流作品ではなく十分差別化されているし、透明な宇宙船、神出鬼没で緑色の血液を持つインベーダーの不気味さなどSFマインドに溢れた出来栄え。
ただ惜しむらくは総じて地味なことで、これは早すぎた傑作といったところだろう。
ということで三作品の観賞終了。
ところでなんで今日が「ウルトラマンの日」かというと、1966年の7月10日に「ウルトラマン」の放映が始まったから、ではない。
通称「ウルトラマン前夜祭」と呼ばれる「ウルトラマン誕生」という特番が放送された日なのだ。
実際に「ウルトラマン」第1話が放送されたのは翌週なのでお間違えなく。
ちなみに今年は放送開始50周年だけでなく、実は曜日も同じ日曜日に当たってるんだよねえ。もちろんリアルタイムは知らないけれど。
前番組「ウルトラQ」は28話分製作されたものの、実際にオンエアーされたのは27話分。
つまり未放送エピソードがあったのだけれども、内容が難解だったから放送が見送られたという説があり、その一方で新番組を盛り上げるために特番を編成したという説もあり、また「ウルトラマン」の製作が遅れたので急遽特番を作ってスタートを一週遅らせたという説まであるのだが、おそらくそれら全てが理由でそうなったんだろうな、と思う。
リアルタイム世代ではないけれど、再放送で「ウルトラマン」及びそれに約2週間先行して放送開始された「マグマ大使」共々夢中になって見ていた筈だけれども、どうやら「マグマ大使」の方が好きだったらしい(^^;