『インデペンデンス・デイ/リサージェンス』(2016)
2016年 07月 20日
またエイリアンが残したテクノロジーを用いて、科学も飛躍的に進歩。
しかし「もしも」に備えた準備も怠ってはいなかった。
そして再び、その「もしも」がやってくる…
前作『インデペンデンス・デイ』から20年経って作られた新作は、王道を行く堂々たる続編っぷり。
劇中時間もあれから20年後で、準備万端整えていた筈の地球に、前回以上の物量作戦で臨むエイリアンが襲来。
バカバカしいくらい圧倒的なパワーでもって、気持ちいいくらいの派手なぶっ壊しをみせてくれる。
前作の主役トリオからはウィル・スミスが脱落。ギャラ高騰とスケジュール面の両方から敬遠された模様だが、この手の話には珍しく当人は未練タラタラっぽい。
しかし劇中で死んだことにされちゃあ、更なる続編があっても回想シーンくらいしかお呼びがかからないだろうな。
ただ物語上ではウィル・スミス(というかヒラー大尉、じゃない大佐か)不在は気にならなかった。
息子を出してメイン格に据えたのは安易な気もするけれど、偉大な父を持って苦悩する子ども、というのをドラマ部分にもりこんでいるのでかえって良かったかも。
また親父が前面に出てきて華々しく活躍しても変わり映えしないし、だとすると劇中で死なせるくらいしか目立たせる方法がなくなってしまうだろうしなあ(代わりと言っちゃなんだが、ジャスミンが…)。
残る二人、ジェフ・ゴールドブラムとビル・プルマンはお手頃な値段だったのか、今回も活躍。
ホイットモア元大統領は、またもや自らパイロットとして最前線へと向かうけど、ちょっとやりすぎの感が。
むしろ、以前エイリアンと精神的にコンタクトを取った経験者、の部分を活かして助言者に徹した方が良かったのではないかなと思うけど、一度付いた「戦う大統領」のレッテルは重いんだろうな。
厄介者扱いされてる面もあって、前作のラッセル・ケイスの役回りも兼ねさせられてるっぽい。
そして前作のホイットモアの役どころはもう一人のホイットモア、美しく成長した娘パトリシアが引き継いでいる。
演じているのはマイカ・モンローというアスリート兼女優さんだけど、綺麗だなあ、彼女。
このパトリシアの恋人なのが、ようやく名前が上がる本作の主人公ジェイク。
演じてるリアム・ヘムズワースは勿論あの雷神の弟ですが、なんで吹替キャストが藤原竜也?
下手じゃないけど声に特徴があって、更に癖のある気取った喋り方なので洋画の吹替向きじゃないと思うんだがなあ。
あの『ジュラシック・ワールド』における玉木宏みたいなもん。
ジェイクは自分勝手で暴走しちゃうという典型的なヒーロー風キャラだが、その相棒のチャーリーもウルサイながらも良いキャラで、結構色々と死亡フラグを立て乍ら全て回避して生還。
そういや前作のヒラーの相棒は死んじゃったっけ。
でも本来ならジェイクの相棒ポジションは、ヒラーの息子ディランが務めるのが自然。
ディランとパトリシアは親が英雄という点で共通点があるし、あの一件以来の幼馴染。
となればパトリシアとジェイクは恋仲なんだから三角関係っぽい描き方をするのが定番といや定番なんだけど、故意か偶然かそうはならず。
で、これらの連中が盛大にドンパチやらかすのがこの映画だけれども、忘れてならないキーキャラクターがもう一人。
前作にも登場したオーキン博士。
え?この人、死んだんじゃなかったの?!
――どっこい生きてました。
20年間昏睡状態で。
奴らが再びやってくるってんで起こされちゃったようです。
エキセントリックぶりは変わらずにブレント・スパイナーが怪演しとります。
初めの方に書いたように、前作以上のスケールの爆破!ぶっ壊し!カタストロフィがこれでもか!と描かれるが、より好戦的な面も協調。
一応はデビッドやトーマス・ホイットモアに慎重論を語らせはするものの、怪しいヤツはまず攻撃!
実は今回、地球人類を全滅の危機に陥れるガミラスに対するイスカンダルのように、救いの手を差し伸べてくれる第三の存在が出てくるのだが、合衆国首脳部はまず攻撃!
結局は「敵の敵は味方」の論理で手助けしてくれることになったからいいものの、新たな敵を生み出して「前面の狼後門の虎」になったらどうするんだろ。
学習してないねえ。
まあ、だからこそ盛り上がる面もあるし、前作よりスケールアップしてのやりたい放題は嫌いじゃないし、驚いたことに上映時間が前作より30分ぐらい短い2時間丁度というのも有難いし、今回も楽しませてもらったのでマル。
脚本:ディーン・デヴリンと監督:ローランド・エメリッヒの久々のコンビ復活作だし、デヴィッド・アーノルドの復帰は叶わなかったけど、近年アーノルドに代わってエメリッヒと組んでるトーマス・ワンカーが、ハラルド・クローサーとコンビで音楽を担当し、前作のテーマ曲も流してくれるなど「続編」ムードもしっかり。
かなーり酷評の声も聞こえてくるけど、そういう人は何を期待してたんだろ。
見たい要素はきっちりと見せてくれたと思うんだがなあ。
この続編、二部作の予定で、『インデペンデンス・デイ』を三部作にする構想があると伝えられているが、ゴーサインが出たのは一本分だけ。
この結果次第で第三弾の可否が決まるらしいけど、さて次もあるのかな。
【ひとりごと】
ところで、前作でよりを戻したと思ったデイビッドの元妻コニーとは結局どうなったんだ?
なんか新しく出てきた旧友のキャサリンとかいう心理学者と、ラストでいきなりイチャイチャしだしてるけどさあ。
【ひとこと】
今回はホント、「独立記念日」関係なくね?
今回の大統領はやられ役で・・・影が薄い感じだったけど、ああなるとは・・・。
結局、前作からの配役が活躍するためだったと思って観賞。
最後は丸く収まる展開なので、安心して観れました(笑)
ただ前作のように驚くシーンが無かったのは、見慣れてるせいでしょうか?
スケールも大きくなり過ぎて、最早呆れて観てた(笑)
さて、あと1作出来るのでしょうかね?
映画も現実の方も20年経過してからの満を持しての最新作ではありましたが、世間の評価は思ったほど高くはなっていない感じですね(汗
自分もエメリッヒ監督ですから内容よりもどっちかと言えばあのスカッとする破壊描写とか程よいユーモアとかが目当てだったのですが、その点で言えば自分は結構満足できた気がします。ラスボスの巨大化もありきたりではありますが、個人的にはあの終盤のシーンは怪獣映画みたいで好きだったんです。クイーンにギリギリまでオラオラ撃ち込む辺りなんかも特にw
時間が経過して作品がまた再評価とかされれば嬉しいんですけどねぇ~^^;
これでとうとう生き残りはデイビッドだけになっちゃいましたねえ。
前作でも割とあっけなくメイン格かと思われたキャラが死んじゃいましたが、ホイットモア元大統領なんてわざわざ死なせなくても…と思ったんですけどね。
続編は更に好戦的になりそうな予感。
あの救いの手を差し伸べてくれた存在に導かれ、敵の母星にまで攻め込んで行きそうな勢いだし、それで勝っても負けてもあんまり面白くなさそうなんだけどなあ。
かといって和平を結んで共存というのも拍子抜けだし…。
前作ではイカだかタコだかのイメージだったエイリアンですけど、結局は虫…?
蟻とか蜂というのはモティーフにしやすいんですかね。
なんか「ガメラ2」のレギオンとか、「エイリアン2」みたいになっちゃって、なんか同一の存在に思えなくなっちゃいました。
知的な感じもしないし…。
その分、怪獣映画的な部分は増えたので、なんだかんだで料金分は楽しめたと思ってます。
期待はしてませんけど、続編が作られれば喜んで観に行きます(^^;





