『X-MEN/アポカリブス』(2016)
2016年 08月 13日
その頃チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)はハンク・マッコイ(ビースト)と共に、ジーン・グレイやスコット・サマーズ(サイクロップス)、カート・ワグナー(ナイトクローラー)ら若きミュータントを導いていた。
だがジーンの予知能力は不穏な動きをキャッチし、かつての恋人であるCIA捜査官モイラ・マクタガートに協力を求めようとした矢先に、アポカリブスによって囚われの身となってしまう。
残されたハンク、スコット、ジーン、カートそれに戻ってきたレイブン・ダークホルム(ミスティーク)やピーター・マキシモフ(クイックシルバー)はチャールズを救うべく行動を開始する。
キューバ危機を題材にした「X-MEN/ファースト・ジェネレーション」、JFK暗殺やらベトナム戦争終結を背景にした「X-MEN/フューチャー&パスト」に続き、今回の舞台は1983年。劇中でスコットやジーンたちが「ジェダイの復讐」を見に行って、「帝国の逆襲」に及ばないとボロクソに貶すシーンが存在する。
いつの間にか<新X-MEN三部作>の完結編という宣伝がされているけれど、お馴染みのメンバーが集ってX-MENが結成されるラストシーンは確かに一区切りではある。
ただこれで<旧X-MEN三部作>に繋がるかというとそうではなく、前作「フューチャー&パスト」で歴史改変を試みた結果、新たに誕生した時間軸上に存在するパラレルワールドなので、旧作の展開に囚われない新しい物語を紡ぎ出すことが可能になった。
そしてどんなに強大な敵が出現しようとも、舞台が過去(1983年)である以上X-MENたちの勝利は必然。
ということでアポカリブスには見掛け倒しの小物感が漂ってしまうのは仕方ないところだが、実際のところアポカリブスが何をしようと本筋には関係ない。
この物語の主軸になっているのは「ファースト・ジェネレーション」で出会って以降、くっ付いたり離れたりを繰り返しているチャールズとエリックの複雑に絡み合った愛憎の結末と、この二人の理想と現実の狭間で揺れ動くレイブンが最終的にどんな選択を下すのか、にあるのだ。
そしてその選択の結果、「フューチャー&パスト」でも描かれたウルヴァリンが戻って行った未来世界の描写を見るにつけ、おそらく<旧三部作>よりも明るい未来が待っているのだろう。
スピンオフの「デッドプール」もこの時間軸上の世界のはずだが、そちらを見てもミュータントと人類の対立やミュータント同士の抗争も表立っては描かれておらず、<旧三部作>のような緊迫感があり殺伐とした世界ではなさそうだ。
とはいうものの、エンドロール後に加えられたシーンからすればX-MENたちが単純に平穏無事静かな生活を送れるとは思えず、確実に「次」への伏線は張られているようだが。
今回の作品では、カメオ出演した”シリーズ皆勤賞男”を除けば既存のキャラクターの配役は入れ替え。原作ではX-MENのリーダーであるスコットも、ようやっと主人公っぽい活躍を少し見せてくれている。
次回作はウルヴァリンを主人公にしたスピンオフ第3弾だが、こちらでウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンと壮年期のプロフェッサーX役のパトリック・スチュワートが降板を表明していることを合わせれば、「次」のX-MEN映画が作られるとしたらキャスト一新の若い顔ぶれになる可能性が高い(二代目ミスティーク役のジェニファー・ローレンスも本作での降板を示唆している)。
となると「完結編」どころか、本作を新たな一作目としてシリーズがどんどん作れそうなものだがどうなのだろう?
製作中なのは「ウルヴァリン3」で、準備中なのが「デッドプール2」と「ガンビット」。
それに「Xフォース」に「ザ・ミュータンツ」。
他にもファンタスティック・フォーとの共演作や、遂に実現か?!というアベンジャーズとの合流の噂も。
でも純粋なX-MENの新作の話は聞こえてこないな。
【もうひとこと】
吹替版で観たが、アポカリブスには松平健の時代がかった大仰な台詞回しでもさほど違和感なし。
ただ中の人がポー・ダメロンだと考えるとねぇ…。
【もういっちょ】
エリック、あっちこっちに子ども作り過ぎ!
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X-MENもアベンジャーズシリーズと同じくらい長い作品になってはいますが、途中のフューチャー&パストで一旦これまでの流れをリセットする形にする事も出来たので、これで終わりではなく将来的にまた新しいX-MENを観れる期待も含ませていた内容でしたね。最後のエセックス社・・でしたっけ?その存在も気になりますし。
あと個人的にはエリック=マグニートーと前の奥さんとの間に生まれたクイックシルバー、原作を知らない分この二人の背景をもう少し掘り下げて欲しかったかもと思いました。
エンドロールの後に映るエセックス社、それに怪しげな血清は、どうやら「ウルヴァリン3」への伏線のようですね。
キャストの交代が徐々に進んでいますので、このままシリーズ続行も可能ですが、今のところ「ウルヴァリン」の3作目以降は、「デッドプール2」「ガンビット」「Xフォース」「ニューミュータンツ」といった外伝的な作品の企画ばかり聞こえてきます。
この「アポカリブス」がアチラでは酷評されちゃったようなので、それでアベンジャーズとの共演企画が囁かれているようですが、さて…?
長いこと、X-MENワールドを楽しませてもらいました。まだ終わらなくてもいいじゃないか(ウルヴァリンの新作がありますが)で、まだまだ、いろいろ考えてほしいです。
あれ? …失礼しました。修正しました(;´・ω・)
「ウルヴァリン3」でヒュー・ジャックマンもパトリック・スチュワートも降板だそうですので(二代目ミスティークのジェニファー・ローレンスも本作で降板とか)、そうなると完全にキャスト一新で新しい物語が作れるんですけどねえ。
今のところ「デッドプール2」や「ガンビット」、「Xフォース」、「ニューミュータンツ」のような外伝の企画ばかりなのが勿体ないですが、それはこの「アポカリブス」の成績や評判があんまり芳しくないことも影響してるんでしょうか。
逆にそれのせいでアベンジャーズとの共演の可能性が出てきたのは嬉しいですが、でも知らない役者さんばかりのX-MENとアベンジャーズが共闘しても、あんまりワクワクはしませんが…(^^;
エリックは息子に会ってもどうやら気付いてない様子ですが、それもどうなんだろう?
前作「フューチャー&パスト」で二人が親子という伏線は既に張られていましたけれどね。
それにしても、告白された時のレイヴンの驚きようは…(^^;
マグニート「俺の+極とお前の-極をこうピタっと合わせてだな」
みたいな、そんな能力に長けてるんですな。
みんな降板してしまうのは、それなりにあがったギャラで団体戦のX-MENは映画製作を維持できないんじゃないでしょうか? スピンオフに頼るのもその方がギャラが安く済むからと考えれば合点が行きます。解決策はX-MENの登場人物全員を一括契約する形で吉本興業に発注するとか。映画よりギャラが低めそうなTVと組むとかなのかなあ。
予算もそうですけど、役者さんもモチベーションを保てなくなってきてるんじゃないですかね。
もう1作目から15年だし。
X-MENのTVシリーズは既に製作が始まっていて、更にもう一本進行中ですが、どこまで劇場版シリーズとリンクするのやら(一応は同じ世界観らしいけど)。
身軽になったので、これでアベンジャーズ勢との共演もあるかもしれないですが、その前にファンタスティックフォーとの共演企画をきちんと復活させて欲しいもんです。