『ベルサイユの秘密』<女子大生桜川東子の推理> 鯨統一郎
2016年 08月 28日
今回収録されているのは表題作「ベルサイユの秘密」以下、「あかねさす男と女」、「金と共に去りぬ」、「エリザベートの恨み」の四編。ということはこのシリーズも残り3冊か?

それに準えた殺人事件が起こるというのがいつものパターンなので、ジャンルとしては「見立て殺人」モノに入るのかもしれないけれど、別に犯人側に何らかの意図があるわけではなく、名探偵の東子お嬢様が勝手に準えてるだけなのでかなり変則的。
ただそれも時には少々、というよりもかなーり苦しいケースもあるので、色々と大変なんだろうなあとは思う。
また今回は各編ともちょっと読みづらい。
毎回毎回本筋と関係あるんだかないんだかの蘊蓄話の応酬があるのはお約束だけれども、今までは前座的な扱いだった。
ところが今回は推理の途中に挟まれてるもんだから、話があっちこっち飛んじゃう羽目に。まさかそれでミスリードを誘ってるつもりでもないだろうに。
それにマスターがかなりウザイ、鬱陶しいヤツになってきてるのでちょっと軌道修正して欲しいところ。
いるかちゃんがレギュラーになってから、キャラが変わってきてるような。
軌道修正と言えば、今度は植田という刑事と、その部下の渡辺みさとという女性刑事が登場してきたけれど、新たなレギュラーキャラになるのかな。