『ドクター・ストレンジ』(2016)
2017年 01月 28日
傲慢な性格ながら天才的な技量を持つ外科医スティーヴン・ストレンジ、だが彼の栄光は突如終わりを告げた。交通事故に遭い一命を取りとめたものの、彼の両手はその機能を失ってしまったのだ。
<マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)>の第14弾。
本国アメリカでは昨年の11/4に公開されたが、わが国ではまさかまさかの約3カ月近く遅れの1/27までお預けを喰らうことになった。
一時は昨年12/10に公開という非公式情報も流れていたが、配給元のディズニーとしては次週12/16より上映される『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に注力したかったのであろう。
ならば11月中に日米ほぼ同時公開してくれれば良いのに、と思わないでもないが、こちらは11/23から公開となった『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』との魔法被りを避けたものと思われる。
<MCU>の作品群の魅力は振り幅が広いこと。
メカニカルな『アイアンマン』の次にバイオテクノロジーの『インクレディブル・ハルク』、神話世界に足を踏み入れた『マイティ・ソー』もあればアナログなミリタリーテイストの『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』あり、お祭り騒ぎの『アベンジャーズ』の後には内省的な『アイアンマン3』があり、シリアスなサスペンス物『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の後に陽気な宇宙冒険活劇『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、大風呂敷を広げた『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の次は、子供部屋が戦場になる『アントマン』といった具合。
ティルダ・スウィントン演じるエンシェント・ワンは年齢・性別を超越した魅力を秘めているものの、その行動原理や目的は必ずしも肯定できるものではないし、悪役となるマッツ・ミケルセン扮するカエシリウスも師や仲間へ反旗を翻すに至った動機付けが弱く(前日譚となる公式コミックを読むとその理由がもう少し明確になるのだが)、何故この両者が対立しなければならないのかがわかりにくい。
だがそれもこれもベネディクト・カンバーバッチが体現したドクター・ストレンジという、単純なようでいて複雑な主人公の圧倒的な存在感の前には些末なことに思えてくるから不思議だ。このキャラクターも十二分に描かれているとはいえない部分もあるにはあるが、演者のキャラクター造形が一貫してぶれていないため、他の全てを内包し凌駕するだけのパワーを発しているように感じられるのだ。
スティーヴン・ストレンジは間違いなくこのユニバースの中で、トニー・スタークやスティーヴ・ロジャースと並び立つ存在になるだろう。
ところでこの作品は時系列的には<MCU>のどこに位置するのだろうか?
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の中ではインサイト計画のターゲットとしてストレンジの名前が挙がっているが、これが魔法使いとして覚醒した後だとするならば『アベンジャーズ』か『アイアンマン3』あたりと同じ時期の物語となりそうだし、前日譚コミックではダークエルフについて触れている箇所もあるので、そうなると『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』よりは後ということになる。
またエンドロール後のオマケ映像からすると『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と同じ頃か?という推測も出来るのだが…。
またこのエンドロール後のカメオ出演、公開前からトニー・スタークが出てくるんじゃないかと話題になっていたが、まさかこの人だったとは。
それに本国公開からこれだけ経っても情報が洩れてこなかったことにも感心する(自分は吹替版のキャスト一覧を見た時にわかってしまっていたが)。
おそらくこのシーンは次の次の次の<MCU>作品とリンクするシーンだと思うが、今から公開が楽しみだ。本国では今年の11月公開なので、今回の『ドクター・ストレンジ』と同じ轍を踏まなければ年内には見られるだろうが、やはり今年もその後に『スター・ウォーズ/エピソード8』が控えているだけに似たような処置を取られるのではないかと心配ではある。
【ひとりごと】
原作コミックの設定や内容を知らなかったので、エンドロール後の二つ目のオマケ映像は驚きだった。
原作ファンからすれば「やはりこうなるのか」と思ったのかもしれないが、純粋に映画だけを見ていると実に意外な展開。
【ひとこと】
冒頭の方でストレンジにもたらされる患者の情報の中に「落雷の直撃を受けた女性患者」というのがあるのだが、これが『キャプテン・マーベル』の伏線ではないかとの噂が。
映画公開は約2年後だが、あり得ない話ではない。

人気のあるマーベル作品といえども、SWのような更に上を行く話題作やファンタビのような類似性のある作品と重なると存在感が薄くなる事も懸念されるでしょうから、やっぱり時期って大事だなとも思いますね^^;
でも本作ってオマケ映像抜きにして本編だけ観るとアベンジャーズ色などが薄いようにも自分は感じたのですが、けどやっぱり細かい部分では色んな伏線が張られていたんですね。今度は何気ない会話や背景にも注視するべきなのかもですね。
<MCU>作品と言えば、今は伏線ありきですからね。
どんな小ネタ仕込んでくるか、油断がなりません(^^;
なにせ本作のストレンジにしたって、「ウィンターソルジャー」の時点で観客に登場の告知をしていたワケですから。
ストレンジの元にもたらされる患者の情報の中に、墜落したパイロットが云々というのがあって、これが「シビルウォー」時のローディだ、と深読みしたファンがいましたが、これは監督が否定したみたいなので、ファンが勝手に盛り上がっちゃってる部分も少なからずるのでしょうが、こういうのは一般の観客にはわからずとも、ずーっと見て来たファンならではの特権とも言えるものですね。
フォースって宇宙魔法みたい。





