『ハドソン川の奇跡』(2016)
2017年 02月 16日

ところが事故の原因究明に当たった運輸安全委員会(NTSB)は、収集したデータやシミュレーションの結果から空港への着陸は可能だったと結論付け、機長の判断の是非が問われることになった。
そして全ての判断は公聴会の場へ――。
映画は時系列を追って描かれるのではなく、まず事故後のNTSBによるサレンバーガー機長やスカイルズ副機長への審問から始まる。
次々と付きつけられるデータは、ラガーディアへ引き返しても、近くの他の空港へ向かっても、無事に着陸出来たであろうことを明らかにしていく。
また機体の損傷についても、サレンバーガーらが思うよりは軽微であった可能性も示唆していく。
これにサレンバーガーの若かりし頃、パイロットを目指していた時分のものや、事故当日の映像を回想として挟むことにより、自分の判断が本当に正しいものだったのかと苛まれる様を描いて行く。
そこに登場するのは、英雄とは程遠い、不安におびえるちっぽけな男の姿だ。
いわば「老け役」に挑戦したトム・ハンクス(実際には当時のサレンバーガーと撮影時のトム・ハンクスはほぼ同年齢のはずだが)が、この時は本当に小さく、弱々しく見える。
クライマックスとなるのが公聴会のシーンで、コンピューターが導き出した結論には「人的要因」が欠けていると主張。見事に自らの正しさを証明する件では実に堂々とした英雄らしい態度を見せ、やはりこの人は巧いなあと感心させられた。
クリント・イーストウッド監督の演出も、奇を衒うでもなく、また必要以上に英雄視することもなく、淡々とした描写を積み重ねることでサレンバーガーという人物を浮き上がらせることに成功している。
上映時間が1時間半強とコンパクトなのも良い。
【ひとこと】
トム・ハンクスの吹替と言えば何人かが担当しているものの、やはり江原正士のイメージが強いが、この作品では立川三貴。なんとなく必要以上にトムがくたびれて見えてしまうのは、この作品に限ってはプラス材料か。

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五つ星評価で【★★周囲の評判はいいしイーストウッドなのだけど、かなり退屈】 そんなに長い映画ではないのだけど、中盤までかなり退屈だった。 いわゆる「奇跡」を起こしてから ...... more

作品について http://cinema.pia.co.jp/title/169616/ あらすじ・配役はこちらを参照ください。 原題: SULLY ←機長の愛称 監督:クリント・イーストウッド 主演:トム・ハンクス 実話です。 事故で飛行機を、市内の川に不時着させた機長。 全員生存の奇跡とは裏腹に 安全委員会は、 最寄...... more





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俳優としても監督としても著名なクリント・イーストウッド監督と、名優トム・ハンクスがタッグを組んだ人間ドラマ。2009年1月15日、突然の全エンジン停止という危機に見舞われながらも、ハドソン川に不時着して乗客全員が生還した航空機事故のてん末に迫る。『サンキュー...... more

『ハドソン川の奇跡』---SULLY---2016年(アメリカ)監督: クリント・イーストウッド出演: トム・ハンクス、アーロン・エッカート 、ローラ・リニー 2009年にニューヨークで旅客機がハドソン川に不時着し、世界中で大きなニュースとなった奇跡の生還劇に秘められた知られざる実話を、「ミリオンダラー・ベイビー」「アメリカン・スナイパー」の巨匠クリント・イーストウッド監督がトム・ハンクスを主演に迎えて映画化した感動ドラマ。離陸直後に両翼のエンジンが止まってしまう非常事態の中、サリー機長が瞬時...... more



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ハドソン川の奇跡。それはNYをトラウマから救った功績。 2009年1月15日、NYのハドソン川に不時着水したUSエアウェイズ1549便。乗客乗員155名の命を救ったチェズレイ・サリー・サレンバ ...... more

縁あってジャパンプレミアに参加することができた。今回も又舞台挨拶の写真撮り放題で、更にラッキー!最近のSNSなどが大流行りの時代に、効果的にインフルエンスさせるには写真及び動画が最適ツールだと主催者が認識した結果なのかどうかは判らないけれど。肖像権が大流行りだった時代はまだ終わっていないと思うのだが、まあ基本的に観客の性善説にのっとっているという解釈で、喜ばしいことだと思う。登壇者はトム・ハンクスとアーロン・エッカートで、アーロンは途中で唐突に舞台を下りて、客席のファンの座席まで行きファンの膝の上に...... more

【SULLY】 2016/09/24公開 アメリカ 96分監督:クリント・イーストウッド出演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー 155人の命を救い、容疑者になった男。 STORY:2009年1月15日、真冬のニューヨークで、安全第一がモットーのベテラン操縦士サレンバーガー機長(トム・ハンクス)は、いつものように操縦席へ向かう。飛行機は無事に離陸したものの、マンハッタンの上空わずか850メートルという低空地点で急にエンジンが停止してしまう。このまま墜落すれば、乗客はおろか、ニュ...... more

記憶に新しい奇跡的なニュースを、クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演で描く『ハドソン川の奇跡』を観てきました。 ★★★★★ 似たテーマのロバート・ゼメキス監督作『フライト』と比べると、雲泥の差くらいに何もかもが素晴らしい。 時間軸をずらして、回想...... more

ハドソン川の奇跡 '16:米 ◆原題:SULLY ◆監督:クリント・イーストウッド「アメリカン・スナイパー」「ジャージー・ボーイズ」 ◆主演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー、アンナ・ガン、オータム・リーサー、ホルト・マッカラニー、マイク・オマリー、ジェイミー・シェリダン、ジェリー・フェラーラ、ヴァレリー・マハフェイ、ケイティ・クリック、ジェフ・コバー ◆STORY◆2009年1月15日、極寒のニューヨーク。160万人が暮らすマンハッタン上空850メートルで突...... more
数分の事故をどう映画化するのかと思っていたら、事故後のサリーの物語でした。
事故の後にこんなことがあったとは…。
公聴会でサリーの主張が認められ、ホッとしました。
いらっしゃいませ。
最初のうちは断片的に事故について触れられていくのでお話がやや見え辛かったのですが、最後には「なるほど、こうなるのか」と納得しました。
調査委員会も決して悪役ではないのですが、執拗に追い詰めていく様がちょっとネチネチしていましたね。
シミュレーションの結果が一転し、機長らの主張が認められた時は同じくホッとしましたね(^^)