『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』
2017年 03月 03日
――のような雰囲気を漂わせてはいますが、見終ってそういう気持ちになる人は少数派でしょうな。
なんせゴジラもミニラも架空の存在、少年の心の中に住んでいる、そういった世界観なんですから。
シリーズ唯一のメタフィクションですねえ。
だからなのか、出てくる怪獣は殆ど流用フィルムでの登場。

でも少年の分身=ミニラと向き合う場面は当然新作。
そのミニラがいじめっ子怪獣ガバラと戦うシーンも新作。ガバラというのも、自分をいじめるガキ大将のアバターですからね。
「ガバラなんて怪獣、いたっけ?」と死神博士、じゃない発明家のおじさんに突っ込まれちゃうことからもこれは明白。ゴジラやラドンはきちんと認知されてるんですからねえ。
実際のところは予算がなくて旧作からの使いまわし前提でお話組み立ててるんでしょうけど、それにしちゃあよくやってると思います。
知らないで見れば、確かに色々な怪獣が出てくる豪華な映画だと思ったかもしれません。
ただこの<東宝チャンピオンまつり>時期の「ゴジラ」映画を続けて見ると、ものすごーく辛い、というか飽きる。
なんせ怪獣大暴れ、都市破壊シーンの大半が見たことのある映像、しかも前作、前々作でも使っていたものだったりで、ホントにお金がなかったんだなあ。
ところで最後、いじめを克服した一郎くんが、今度は悪ガキの仲間入りしたのはハッピーエンドと受け取って良いのかいな?
「やったぜベイビー!」とか浮かれてる場合じゃございやせん。
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/8925959/

特集「シン・ゴジラ映画総進撃」から1プログラム。 五つ星評価で【★★初見。ゴジラ映画というよりウルトラQみたいなテイスト】 カラー、いわゆる総天然色なのに白黒のウルト ...... more
「オール怪獣大進撃」はゴジラ映画でも初心者向けですね。巷では酷評の多い本作ですが、それまで怪獣大百科でしか見た事の無かった怪獣達をまとめて見る事ができたのはこの作品が最初でした(カマキラスとクモンガの動きには目を見張りました)。
内容も気弱な少年が夢の中のミニラに触発されて成長していくという微笑ましいものですが最後の悪戯はちょっとやり過ぎでは・・・・・・(汗)。
怪しげな役どころの多い天本英世さんが本作では意外な役どころを見せてくれて、こちらも微笑ましいのですが、最大の謎は、果たしてあの人には「若い時代」というものがあったのでしょうか・・・・・・?(何て失礼な事を!!汗)
何にしても、怪獣達(ゴジラも含めて)が豪快というか、ありえない不自然なすっ飛び方をするようになったのは、この映画が最初ですね(笑)。
天本さんはこの2年前がドクター・フーで、2年後が死神博士ですか。
全く年齢不詳の怪優ですね。
ゴジラ版「ネバーエンディング・ストーリー」と呼んでる人もいるくらい、一部では人気がありますが、やっぱり怪獣映画を見た、という気分にはなかなかならないのが辛いところではあります。