『OK牧場の決斗』(1957)
2017年 06月 11日
丁度ビデオデッキを買ったばかりで、テレビの情報誌を片手に面白そうな作品を見つけては録画チェックを繰り返していた頃に出会った一本だ。オープニングから流れるフランキー・レーンが歌う主題歌がひたすら耳に残ってる。
この時に見たのはおそらく30分程度短くされたもので、バート・ランカスターが演じたワイアット・アープの吹替は瑳川哲朗でドク・ホリディのカーク・ダグラスは宮部昭夫だったと思うが、短縮版でも十分に楽しめた(後で全長版のビデオを借りて見たけど初見時のインパクトに勝るものなし)。
ワイアットとドクの付かず離れずの”友情”が良かったなあ。
ジョニー・リンゴに挑発されても、ワイアットとの約束を守って屈辱を受け、決斗のことを知るや病を押して助太刀に赴く漢気を見せるなど、実に格好良いドク。それに比べるとワイアットはかなりの問題児だ。
ドクをならず者と軽蔑しておきながら、いざとなると恥も外聞もなく、また有無を言わさず自分に協力させようとしたり、目を付けた美人(ローラ)に対してもさんざアバズレだの何のと暴言を吐いておきながら、実はこっそりとストーカー行為を繰り返しての強引な口説き。
それに他人に対して偉そうに説教垂れ乍ら、いざ弟を殺されると前後の見境なく復讐に走るなんざ、凡そ”英雄”と呼ばれるに相応しい性格だとは思えない。
まあこのどうしようもないワイアットに、自分の命を省みずあくまで義理立てするからこそドクが引き立ち、あっさりと恋に落ちるからローラがヒロインとしての存在感を示せてるのだが。
この決斗が行われた時、ワイアットの実年齢は33歳、ドクは30歳前後だったようで、演じてる役者は概ねプラス10歳ってとこだが、この映画はあくまで史実をベースにしたフィクションということでOKだろう。
同じ題材を扱った作品は、例えば「荒野の決闘」とか、カート・ラッセルの「トゥームストーン」、ケヴィン・コスナーの「ワイアット・アープ」なんかも見てるけど、この作品が一番だ。
今回はDVD収録の吹替版で再見。
青木義朗と中谷一郎のワイアットとドクはちょっとイメージ違うけど、二人の”友情”の成り立ちや、なんでアープ兄弟とクラントン兄弟が対立してるのかとか、そういった細かい人間関係がやっと得心がいった次第。
それでもドクとケイトの共依存の関係はよく分からない。