『大間違いの織田信長』 倉山満
2017年 09月 24日
信長は恐ろしいほど戦には弱く、それもあって権威を大いに利用し、強い者には媚び諂い、自分が率先して働いて部下を引っ張る努力の人で、身内には甘く、服従してきた者にも寛大で、人がいないから出自に構ってられずにチャンスをバンバン与え、先例を巧みに取り入れて活用し…と列挙していくだけで「あれ?」と思います。
権威の破壊者とか、革新的な天才児とか、冷酷残虐な魔王、それこそ「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」のイメージとは大きくかけ離れています。
そしてそれこそが「織田信長の魅力」だと言い切っているのですから読んでいて痛快です。
ただ晩年の信長だけは、それまでとは随分と違ったキャラになってたようで、そこに「本能寺の変」が起る要因があったのかもしれませんね。