『ドリーム』(2016)
2017年 10月 04日
原題の”Hidden Figures”を直訳すると、「隠れた人物」と「隠れた数字」の両方の意味があるが、これはその活躍が表立って紹介されてこなかった主人公となる3人の女性と、劇中で度々問題となる軌道計算を求める方程式、そしてそこで求められる解との両方の意味を持たせているのだろう。米ソの宇宙開発競争の真っ只中、ソ連はアメリカに先んじてボストーク1号でユーリ・ガガーリンを宇宙に送り込み、大打撃を被ったアメリカは何とか有人宇宙飛行を成し遂げようとする中で、キャサリン・G・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンの3人は、有色人種で女性という二重のハンデに苦悩しつつ計画を成功に導いていく。
宇宙開発史を彩る単純なサクセスストーリーなのかと思っていると、そこに色濃く描かれているのはアメリカ社会に根強く残る差別問題。多少なりともコミカルなオブラートに包んではいるものの、たかだか半世紀ほど前にまだこれほどまでに深刻な問題が残っていたことはショックだった。
実際は映画で描かれる年よりも前に彼女たちは然るべきポストに就き、既に差別も(完全ではないものの)排除されていたようで、そこは映画として大目に見なければならない部分だろうが、だからといってモデルとなった実在の彼女たちの功績が揺らぐわけでもあるまい。
出演は中心となる3人の黒人女性にタラジ・P・ヘンソン、ジャネール・モネイ、オクタヴィア・スペンサー。
それにキルスティン・ダンスト、そしてケビン・コスナーが脇を締めている。
監督はセオドア・メルフィ。





