人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『誰も語らなかったジブリを語ろう』 押井守

「あらかじめ申し上げておきますが、本書は一部の方々が期待しているであろう、スタジオジブリに対する悪口雑言、ツッこみ放題、言いたい放題を活字にして私憤を晴らすという意図で出版されたものではありません(まあ、一部にはそれも含みますが)。」

前書きの冒頭部分ですが、かなーりぶっちゃけてます。
ジブリ批判は何故タブー視されていたかも含め、ここまで言ってOKなのは押井監督だから、なんでしょう。

『誰も語らなかったジブリを語ろう』 押井守_e0033570_19513366.jpg映画ライター渡辺麻紀との対談という形式で、『風の谷のナウシカ(これはジブリ作品ではない、ときちんと前置き付き)』から『風立ちぬ』までの宮崎駿監督の10作品、『火垂るの墓』から『かぐや姫の物語』までの高畑勲監督の5作品、それに『耳をすませば』『猫の恩返し』『ゲド戦記』『コクリコ坂から』『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の6作品を「ジブリ第三の監督たち」という括りで、一部製作の裏話などを交えながらバッサバサと切り捨てて行きます。

ジブリ作品を全部見てるわけではないですが、今まで漠然と感じていたモヤモヤした部分の幾つかは、この本を読んで「そうだったのか」「なるほど」と得心がいきました。
その一方で、その解釈はよくわからない、というものもありましたが。
とりあえず「ジブリ、マンセー」な記事や書籍が氾濫する中、一風変わったガイド本としても使えるんじゃないかと思います。

【ひとりごと】
これは本筋には直接関係ないところではありますが、押井監督にジブリから声がかかったことが二度あり、その二度目の作品が『墨攻』だった、というのはちょっと面白い裏話だと思います。
by odin2099 | 2017-10-25 19:52 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur