『オリエント急行殺人事件』(2017)
2017年 12月 10日
そして本作のポアロは自分で「おそらく世界一の探偵だ」と言ってしまう反面、事件解決の糸口がなかなか掴めず、激高し取り乱し苦悩するという未熟な一面も見せる。
鼻持ちならない変人でありながら、一方で”灰色の脳細胞”を駆使し事件を解決へと導く超人的なキャラクターは現代では受け入れられないと考えたのだろうか。その分ポアロらしさは希薄になってしまっているが。
またシドニー・ルメット版では、ポアロが手掛かりを掴む容疑者からの尋問シーンを丁寧に見せてくれたが、本作では幾つかの省略もあってこれでどうやってポアロが真相に辿り着いたのかが不明確な点があるのだが、どうやら謎解きの妙味は初めから二の次で、ポアロの”人間性”を描くことに主眼が置かれていたような節がある。
ということでミステリー映画としては多少もどかしさが残るものの、全体的な雰囲気は悪くはない。
ラストにポアロはエジプトで起きた殺人事件の為に召還されるが、続編として予定されている『ナイル殺人事件』のリメイク映画版の実現も期待したい。
ところで今回は吹替版を見たが、俳優たちが丁々発止のやりとりを見せる本作のような作品は、吹替版でじっくり見たいもの。
【追伸】
あの方も独特なしゃべり方なので合うかもしれませんが、
ケネス・ブラナーの声としたら合わなそうですね。
デイジー・リドリーは本人と気付かずに見てたので後で知りました 笑
最近のケネス・ブラナーは内田直哉が多いみたいですが、じゃあ内田さんで見たいかというと、それもノー(^^;
DVDがレンタルされたら見てみてください。
デイジーの声は「スター・ウォーズ」と同じなので違和感ないんですけどね。