『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)
2017年 12月 17日
新たな三部作のブリッジとなるエピソード8。
今回はシリーズ初、前作のラストシーンから直結。
何年後とか何十年後とか必ず時間を置いていたこれまでとは一線を画しているのが大きな特徴だ。

それに早速『帝国の逆襲』の焼き直しっぽくて、またか、と不安に駆られる出だしでもある。
一方ようやくルークを探し当てたレイ。
ライトセーバーを差し出すものの、それをポイっと捨ててしまい、「とっとと帰れ」とすげなく追い返そうとするつれないマスター・スカイウォーカーであった。
そのあまりにそっけない仕草に、これはギャグだと思っていいのか判断に悩む。
マスター・スカイウォーカーはその後でも葉っぱでコチョコチョとかやるので、なんだか監督のセンスを疑うな。
ファーストオーダーの攻撃に大混乱のレジスタンスの基地では、『フォースの覚醒』の思わせぶりなラストは何だったんだ?というくらいあっけなくフィンは目覚め、どうやって逃げようかとかそういう話が展開されるのだけど、正直言うとこっちのエピソード、いらなかった。
これがないとフィンの活躍が描けないとか、キャプテン・ファズマやマズ・カナタを再登場させられないとか色々あるんだろうけど(どっちも大した出番じゃない。このままだとファズマさんは見掛け倒しの”第二のボバ・フェット”になりかねない)、こっちのパートを削れば少なくてもシリーズ最長の上映時間にはならなかったはず。
ルークは完全に世捨て人になっていてレイの説得にも耳を貸さないのだけど、そこでR2-D2の必殺アイテム登場。
「助けてオビ=ワン・ケノービ!あなただけが頼り!」のレイアのホログラムをルークに見せるのだ。
よく取っておいたな、R2。
ルークが隠遁生活を送っていたのはベン・ソロという有望な少年を導きそこね、ダース・ベイダーのフォロワーたるカイロ・レンを誕生させてしまったから。
かつてオビ=ワン・ケノービは弟子アナキン・スカイウォーカーがダークサイドに堕ちた時、自らケリをつけようとしたけれど、ルークはベンに襲われ、逃げ出して殻に閉じこもったということなんですな。
ところがベン君に言わせると、この経緯はちと違う。
何故かレイとベン(カイロ・レン)の間にフォースの繋がりが出来て即時通話が可能、二人は共鳴し合う状態になるのだけど、ベンがダークサイドに堕ちた切っ掛けはなんとルークに殺されかけたから?!
さあ、嘘を吐いてるのはどっちだ?

前作で誓った「あなた(ベイダー)が始めたことを終わらせる」というのは、ベイダーが出来なかった師匠(ダース・シディアス=パルパティーン)を殺して自分がシスの頂点に立つこと?
という以前にスノーク、お前は何者なんだ?
大言壮語してるうちに弟子に足下掬われて…いや、まだ実は死んでないとか、ワンチャンあるのかな。
何者?といえばレイ。
結果的にルークとは理解し合えないまま、レイは仲間の元へ。
それでもなお従来のパターンに当てはめて今後を予想するなら、ルークは霊体となってレイや場合によってはベンの前に姿を見せ助言するだろうし、ベンにもライトサイドへ還る最後のチャンスが用意されているかもしれない(でないとスカイウォーカー家の血筋は絶える)。
レイアが直接フォースを操るシーンがあるのはシリーズで初(で最後?)。
『フォースの覚醒』でハン・ソロ、『最後のジェダイ』ではルーク、となれば次のエピソード9はレイアがメインフィーチャーされ、息子ベンとの決着がつくものと期待したいところだけれど、それも叶わぬ夢か。
監督交代劇を踏まえ、全米公開が(『インディアナ・ジョーンズ』シリーズ5作目を翌年に追いやって決めた)2019年5月から12月へと先延ばしされてしまった完結編となるエピソード9、現段階では期待よりも不安が大きい。
【ひとりごと】
本作で描かれるルーク・スカイウォーカー像に納得している訳ではないが、それでもマーク・ハミルの演技は素晴らしい。
オスカーに値すると思うが、『クリード』でのシルベスター・スタローンの扱いを見る限り、娯楽作品での受賞はおろかノミネートさえ難しいのだろうな。


SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」サーガの新3部作の幕開けとして2015年に公開され、世界中で空前の大ヒットとなった「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のその後を描く続編。ついにフォースを覚醒させ、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーと出会ったレイを待ち受ける驚愕の運命と、ファースト・オーダーとレジスタンスの戦いの行方を描く。主演は引き続きデイジー・リドリー。共演陣にはアダム・ドライヴァー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミルら前作の主要キャストのほか、ローラ・ダーン、ベニチ...... more



ツッコミどころ、いろいろ頷けます。オビ=ワンの件なんか思いつきませんでしたが、たしかに!
わが家では具体的に書きませんでしたが、なんだかなーな印象は残りましたね。
本作の感じでは、次作は、(レイ、カイロ・レンと)レイア姫中心だったはずですが、無理になりました…。
オビ=ワンが出ることも検討されたようですが、ユアン・マグレガーのオビ=ワンはルークと面識がないから、とヨーダになったそうで。
でももし遺族の許可が得られたなら、デジタルでアレック・ギネスの姿を再現し、それが徐々にユアンの姿に変わって…なんていうシーンも見たかった気がします。
やったらかなり非難されるとは思いますけどね(^^;
次回は当然レイアとベン・ソロの話となるところなんでしょうが、それも叶わぬ今となってはどう物語を転がしていくのか。
まさか「レイは私の母になるかもしれない存在だったのに!」とかベン君が言わないといいけど…。

Excaliburさんのように細かい分析が出来ないので、ただ楽しんできました 笑
とにかくマーク・ハミルの演技は素晴らしかったですね!!
それだけに...エピソード9はレイアがメインで活躍するはずだったのかもしれませんが...本当に残念です。
あとは無事に完結してくれることだけです。
マーク・ハミルは今回のルークの描かれようには全く納得いかなかったそうですが、それでもプロとして全力で演じた、というようなコメントをしています。
これは多分にファンを思っての発言という面もあると思いますし、ライアン監督への防波堤としての役割を果たしているのでしょうが、長年ルークを演じて来た俳優としてキャラクターの解釈に違和感があったのも本当なんでしょうね。
しかし「フォースの覚醒」で提示された謎の数々、あっけないというか矛盾してるというか、こんな解決で良かったのかなあという気持ちは残ります。
またこれが次のエピソード9で覆ったりしないことを願ってますが。
そしてレイアとカイロ・レン、どう決着をつけるのかも気になりますね。