『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』2回目
2018年 01月 03日
前回は吹替版で見てきたので、今回は字幕スーパー版。やはり林完治の翻訳は安定してます。
さてこの映画、サントラを聴いた時にも改めて思ったのですが、ジョン・ウィリアムスは目立った新曲、というか新テーマを書いてません。
お馴染み「スター・ウォーズのテーマ」で幕を開けたあとは、既成曲の使いまわし。
レジスタンスが映ればレジスタンスのテーマが流れるし、カイロ・レンやレイが出て来ればそれぞれのテーマ。スノークがダース・ベイダーに言及すれば「ダース・ベイダーのテーマ」だし、ヨーダが登場すればもちろん「ヨーダのテーマ」、という具合。
拘ってるなと思ったのは、終盤のルークとレイアの再会シーンにはEP6で作られた「ルークとレイア」、ハンの形見を渡すシーンではEP5の「ハンとレイア」のメロディが使われていたこと。
また惑星クレイトでの攻防戦では、EP4のバトルシーンで流れた曲がミレニアム・ファルコン号の活躍を盛り立てます。
EP7よりはレイアのシーンが増えたので当然彼女のテーマも何回か使われますが、やはりグッとくるのがエンドロールでキャリー・フィッシャーへの献辞が映し出されるシーン。彼女を称えるかのように、しっとりと流れるんですねえ。
意外なのは”主役”ルーク・スカイウォーカーのテーマ曲が殆ど流れないこと。
といっても「ルークのテーマ」=「スター・ウォーズのテーマ」なので、実は劇中での使用例は過去の作品でも少ないのです。EP1からEP3では殆ど使われていませんし(EP3のラストでは文字通りの「ルークのテーマ」としての使用例がありますが)。

EP4で初使用の時は「ベンのテーマ」でしたが、やがて「ジェダイのテーマ」「フォースのテーマ」とどんどん扱いが大きくなっていきました。今回は師であるオビ=ワン・ケノービのイメージも部分的に重ね合わされているルークの描写には、むしろ相応しいメロディだったと思います。
ただその使い方はちょいと曲者でして、カイロ・レンがスノークを刺殺するシーンにも流れます。
ここでカイロ・レンがライトサイドへの帰還を果たしたのか?と期待させるのですが、実は…とミスリードを誘っているのも侮れません。
かつてEP2ではアナキンが葛藤する場面でこのメロディが使われ、彼がギリギリでダークサイドの誘惑をはねのけライトサイドに留まったことを表現したのを踏まえての演出なのかもしれませんが。
惑星クレイトといえば、なんといっても圧巻なのがルークとカイロ・レンの一騎打ち。
実はX-ウィングを海中に沈めてしまったルークには移動手段がなく(ということを表しているんでしょうね、あのショットは。実際はフォースを使えば、ダゴバでヨーダがやって見せたように引き上げて再使用も出来るでしょうけど)、遠くアク=トゥーからフォースでアバターを送っていただけなので実態はないのですが(その割にレイアとは触れ合ってますが、一種のフォースの感応でしょうかね、レイとカイロ・レンでもありましたが)、そのことは割と細かく、しかも初見では気付かれにくいように描写されています。
ファーストオーダーの猛攻の中でも平然としているルークというのはあからさまですが(これもルークの超人性の描写と受け取れるようになっていますが)、クレイトの地面は赤くその上を白い塩が覆っているので歩くだけで赤い跡が出来るので、激しく動き回るレンの足下は赤く乱れているのに対し、ルークの足下は白いままです。それにルークはレンのライトセーバーを躱すだけで自分から仕掛けませんし、切り結ぶこともありません。
そして何よりもルークの姿。全編に亘って見られる白髪交じりの初老のものではなく、黒髪を湛えた姿はレンと訣別した回想シーンと同じもの。おそらくレン、そしてレイアと別れた時の姿なのではないかと思います。
もし今後EP9でルークが霊体として姿を見せるとしたら、はたしてどちらの姿を取るでしょうか。レン(ベン・ソロ)の前に姿を見せるなら若い時の姿、レイの前なら初老の姿…などと想像してみるのも面白いと思います。
EP8はなかったことにして欲しいという署名活動が活発化してるようですし、個人的にもこの展開は望んだものでも納得出来るものでもありませんが、最後の最後に格好良いルークの姿を見せてくれただけで、この作品そのものは肯定したいと思います。例えEP9でどのようなどんでん返しがあろうとも。
上映終了までもう1~2回は見に行きたいものです。
【ひとこと】
なかったことにして欲しいのはEP8だけじゃなく、EP7以降全部ですね、自分なら。
EP7始動の際にそれまでの小説やコミック、ゲーム作品はカノン(正史)からレジェンズ(番外編)に格下げされましたが、将来的にEP7から9までの三部作が「なかったこと」になる日はくるでしょうか?
もしルーカスフィルムがディズニー傘下を離れ、独立するなり別の親会社を持つようになったら、ひょっとしたら…?