『マジンガーZ/INFINITY』(2017)
2018年 01月 15日
……いや、実際は不安で一杯だった。
これまでのリメイク、リブート作品同様、失望するのが怖かったからだ。

武器の使用にはいちいち許可が必要で、量産型マジンガーが跋扈している世界というのは、まあ「あり」といえば「あり」だろうが、自分の見たかった未来図ではなかった。
ともあれ、そういう10年後の世界を舞台にマジンガーが復活する、ということだ。
甲児、さやか、鉄也、ジュン、シロー、ボス、ヌケ、ムチャ、弓首相、せわし博士、のっそり博士、それにみさとと、驚くほど旧作のキャラクターは大事にされている。

思っていた以上に『マジンガーZ』だった。
原作漫画のエピソードを組み込んだり、他の永井豪作品からキャラクターやシチュエーションを借りてきたりということもなく、きちんと『マジンガーZ』及び『グレートマジンガー』の正当な続編となっていた。
単純に一本の長編作品として愉しめるものになっていた。
例えその世界観、物語の展開、キャラクターの置かれた状況が自分好みのものではなかったとしても。
しかし多くの人にとっては些細なことだと思うが、自分としてはどうしても得心のいかない点が幾つか。
例えばキャスティング。
石丸博也に似たタイプということを考慮して兜甲児役に森久保祥太郎を起用したのなら(個人的には似てるとは思っていないが)、何故野田圭一と全く声質の異なる剣鉄也が誕生したのか。

実際『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』に端を発した復活した<宇宙刑事>シリーズの諸作品では、オリジナルの宙明サウンドを活かしつつ、別の作曲家とのコラボを実現させている。
その同じことが何故『マジンガー』では出来なかったのか。
この物語展開ならば「ぼくらのマジンガーZ」もしくは「空飛ぶマジンガーZ」こそ相応しい。

これがリメイクやリブートなら諦めもつくが、れっきとした続編である以上、絵だけでなく音にもこだわりを持って欲しかったのだ。
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を見た時に「納得はしてないが面白い」と感じたが、この作品にも同様の感想を抱いた。
そうはいっても、例えモールドが入った新生マジンガーZの姿に違和感を覚えつつも、機械獣軍団を相手に大スクリーンで奮戦する勇姿には涙を禁じ得ない。

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エンドロール曲は大人の事情くさいけど、こんなのよくある話だからこれも気にならなかった。これが成功して吉川晃司が次は声優で出てくるとかなければいいです(ありそー)。