『ロボット刑事』(1973)
2006年 02月 04日

引越しを気に、10年から20年くらい放置していたビデオテープが続々と発掘されましたので、色々と楽しんでおりまして、この作品も確か15年くらいに一度見ておりますが、残念ながらリアルタイムでは見られなかったんですよね(TVは見てましたが)。
この時の<まんがまつり>は、メインとなる長編(といっても実際は中編規模)の新作が『マジンガーZ対デビルマン』と『仮面ライダーV3対デストロン怪人』。
併映が本作と、TVシリーズの1エピソードそのままですが『魔法使いサリー』、『バビル2世/赤ちゃんは超能力者』、それに『キカイダー01』の計6本立てで、これは当時の子供たちにはかなりアピールするラインナップでした。行かれなかったので口惜しい思いをしたことを覚えています。
また、従来ならメイン扱いで用意されていたオリジナルの長編アニメーション作品――例えば『長靴をはいた猫』、『海底3万マイル』、『太陽の王子ホルスの大冒険』、『どうぶつ宝島』、『空飛ぶゆうれい船』、『パンダの大冒険』など――が一切廃され、全てTV作品の劇場版になったという意味で、一つの転換点にもなっています。
えーと、話が脱線しちゃってますがこの作品、他の作品同様TVの1エピソードをそのまま劇場に掛けたものではありません。
かといって新作でもなく、実は1クール分のエピソードを再編集した総集編なのです。
ただし、25分で!

辛うじてロボット刑事であるところのKの設定はわかるものの、メイン・キャラクターがどういう人物なのかも判然とせず、悪役であるところのバドー・ロボットが目まぐるしく入れ替り立ち代り現れ、右往左往するだけです。
これではTVシリーズを宣伝するカタログ・ムービーにすらなっておらず、当時の子供たちはこれで満足したのでしょうか?
どうせなら1~2話の総集編程度にしておけば、もう少し映画としての面白さは出たんじゃないかなと思います。
『仮面ライダー』の滝和也役で人気のあった千葉治郎がKとコンビを組む主人公の刑事を演じ、ベテラン刑事の高品格が彼らをサポートし、さらに千葉治郎の実兄である千葉真一が役柄同様に主人公の兄に扮してゲスト出演、となかなか渋い魅力もあるのですが、勿体無いことですねぇ。
ちなみに題名の類似から、『ロボコップ』の原典は『ロボット刑事』である旨のコメントを散見いたしますが、完全なロボット体であるKと違って、ロボコップことマーフィはサイボーグに近く、その源流を日本作品に求めるならば、それは平井和正・桑田次郎コンビの『8マン』だと思います。