『ダーククリスタル』(1982)
2006年 02月 08日
ジム・ヘンソンとフランク・オズが共同監督した、全篇マペットの映画です。
プロデューサーは『スター・ウォーズ』と『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』を担当した後、ジョージ・ルーカスと衝突してシリーズを降板することになってしまったゲイリー・カーツ。
人間はおろか、既知の生物は一切登場しないという、完全なる異世界もののファンタジーで、最初のうちは見慣れない世界なので取っ付き難い印象を受けると思いますが、すぐに気にならなくなるくらい魅力的なキャラクターが揃っています。
特にヒロインであるキアラ(「キラ」「キーラ」という表記の方が一般的かも知れませんが、公開当時の字幕は「キアラ」だったはずです)が出色で、その愛くるしい表情もさることながら、意外に何もしない(笑)ジェンに比べて行動力があり、事実上物語を引っ張っていっている存在になっています。
これは同い年の少年少女を比べると、得てして女の子の方がしっかりしている、ということの表れなんでしょうかね(苦笑)。
またこのゲルフリン族、何故か女の子にだけ背中に羽が生えておりまして
「僕には翼なんかないよ?!」
と驚き戸惑うジェンに対して
「当然よ。あなたは男の子なんだから!」
と言い放つ格好良さ。
やっぱり女の子は強いですねぇ…。
それだけじゃなく、全篇を彩る幻想的な美術のイメージも圧倒されますし、何と言ってもマペットの動きの活発さ、表情の豊かさには公開当時に大いに唸らされたものですが、久しぶりに見直してみても全く変らない印象です。
更に言えば従来のビデオやLDソフトでは、エンド・クレジットがどういうわけか簡易なものに変更されていたのですが、こちらにはきちんとオリジナルのままで収録されています。
メイキングや予告編も収録されていますので、”買い”であることに間違いはないのですが…。

気になるその名前はゲンディ・タルタコフスキー。
TVアニメ『スター・ウォーズ/クローン大戦』の監督として日本でも名前を知られるようになった人ですが、この人選からすると全篇CGIを駆使した3Dアニメーションか何かになってしまうのでしょうか。
マペットの良さは無くして欲しくないですし、ちょっと不安ではありますが、期待はしております。
ファンタジー映画の続編ついでに、ネタを一つ。
『ナルニア国物語』の第2弾「カスピアン王子のつのぶえ」が、製作準備に入ったようです。
キャストはやはり子役4人は続投で、公開予定も来年末に繰り上がったようでメデタシメデタシ。


このダーク・クリスタルのコンセプトアートはイラストレーターのブライアン・フロウド。妖精やクリーチャーを淡い色彩で描くアメリカのファンタジーアートのイラストレーターです。この映画でも、キャラクターや背景など、とても不思議な架空の世界を造りあげています。最初に見た時はそのクリーチャーデザインと滑らかで自然な動き(すべて人間がオンタイムで動かしています。CGではありません。) に感動しましたが、... more

【概略】 暗黒に包まれた世界に平和を取り戻すために立ち上がった少年の活躍と冒険を描く。 ファンタジー .5★★★☆☆ 1000年前、宇宙を支配するクリスタルが砕け、悪の化身スケクシス、平和を愛するミスティクスの2つの種族が誕生した。以来世界はスケクシスが支配し、腐敗と貪欲がはびこっていた。予言では3つの太陽が重なる大会合の前に、クリスタルをもとに戻さないと世界は永久に悪に支配されてしまうと...... more

『ダーククリスタル』の新作の話は僕も心配ですね。
マペットの空気感があるから良いのであって、CGバリバリでやられたら
興醒めしそうです。その辺りが分かった新作を期待してます。
続編ということなんですが、世界観だけ流用した別物なのか、
それともジェンやキアラが出てくる正当なる続き物なのか、それも気になります。
それに何と言っても”マペットの空気感”(良い表現ですね)が蔑ろにされないことを祈りたいです。
まぁなんだかんだ言っても、見に行くだろうことは間違いないですが。


TBありがとうございます。
まさかダーククリスタルでTBがつくと思っていなかったので正直驚いています。
続編は、私も期待と不安が半々という感じです。
むしろ、不安のほうが多目ですが。
あの世界観を壊さずに作っていただけるなら嬉しいですね。
マイナーな作品だったんですかね、『ダーククリスタル』って(苦笑)。
実はもっと取上げている方が多いと思っていたのですが、
案外見つからないものです。
何分古い作品ですので、今ひとつ浸透していないのでしょうか(汗)。

私の周りの映画好きに聞いても「知らない」という答えばかりでした・・。
叔父に以前DVDの話をしたら、公開当時、すぐに上映が終わっちゃって
残念だったというような事を言っていました。
良い作品ですよね~。
なのに、なかなか話をしても食いついて来る人はいません(^_^;)
やっぱりマイナーなんでしょうか・・(苦笑)
20ン年前の春休みシーズンに公開されたのですが、それなりにお客さんは入っていたと記憶しています。
この作品に前後して『コナン・ザ・グレート』、『銀河伝説クルール』、『ミラクルマスター/七つの大冒険』、
それに『ネバーエンディング・ストーリー』が公開されたり、とちょっとしたファンタジー映画ブームでしたっけ。
あの富野由悠季監督が、『聖戦士ダンバイン』を作ったのもこの頃ですね。
もっとも僕の周囲でも、この作品を見に行った人はいません(苦笑)。
角川初のアニメ大作『幻魔大戦』、サンライズ初の劇場用長編『クラッシャージョウ』、
そしてブームの火付け役だった『宇宙戦艦ヤマト/完結編』という、アニメ超大作三つ巴の激戦だったもので。

TBさせてくださいね。
偶然にも最近「ダーククリスタル」の記事を書いたら、なんと20年ぶりの続編!きっと新しいマスターピースになると信じて・・
「ダーククリスタル」、学生でしたが映画館に見に行き、パンフもいまだ大事にしていますよ。
それでは、またお邪魔致します!
どうも有難うございました。
今になってどうして続編?という気持ちで一杯ではあるのですが、
やはり気になりますね~。
あ、自分も当時のパンフは大切にとってありますよ。