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『海底軍艦』

いきなりビキニのお姉さんが出てきて度肝を抜かれるが、これがなかなか見事な作品世界への導入部にもなってる往年の東宝特撮映画の一本。
旧日本海軍の生き残りが南海の孤島で密かに超兵器を作り上げていた、という設定で物語を転がしていくには、この映画が製作された1963年はギリギリのところだろう。
1995年に作られたOVA『新海底軍艦』はかなり設定いじくっていたし。

余談になるけれど、OVAが作られたのは架空戦記モノがブームになっていた頃だったけれど、その時にこちらをそのまんまリメイクしたら、それなりに人気が出たような気がする…。

『海底軍艦』_e0033570_21181721.jpg高島忠夫と藤木悠コンビを主人公に、ヒロインに清楚な藤山陽子を配し、小泉博が割とクールな役どころを務め、その脇で佐原健二や平田昭彦が胡散臭いキャラで右往左往し、途中から満を持して登場したコワモテ田崎潤が演じるゴリゴリの狂信的軍人が場を掻っ攫うかと思いきや、最後には高貴で妖艶な小林哲子の女帝が全てを持って行くという、黄金期の東宝映画陣の層の厚さを感じさせるのだけれども、久しぶりに見直してみたら、あれあれ?なんか面白くないなあ、この映画。

約90分の映画だけど、主役メカ「海底軍艦」轟天号がお話の中心になるのが30分後だし、本格的に出撃するのはラスト20分。
しかも轟天号って空飛んだり海中に潜ったりはするものの、その実、戦闘能力は結構未知数だし、ぶっちゃけロクに活躍もしない。
対するムウ帝国の守護神マンダも見掛け倒しで、活劇としては見せ場がかなーり少ないのだ。

なので導入部に感じたワクワク感が持続した状態、一種のトランス状態みたいな感じで最後まで完走できれば血沸き肉躍る冒険活劇を堪能した気分を味わえるのだけれど、どっか途中で一瞬でも気が緩むとたちまち夢から醒めてしまうのかもしれない。
まあ特撮映画、SF映画なんてものは、そもそも一夜の夢物語に過ぎないのだから、寝て醒めてしまえばそれまで、と言えるのだろうけれど。

<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/7264347/


by odin2099 | 2018-02-09 21:08 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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