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『宇宙戦艦ヤマト2199 第三章/果てしなき航海』

劇場版第3弾は第7話から10話までをまとめているのだが、バラエティに富んでいるというかまとまりがないというか。
一本の映画として見た場合は失格の烙印が押されかねない。
でもこの幅の広さが「ヤマト」でもある。

『宇宙戦艦ヤマト2199 第三章/果てしなき航海』_e0033570_21503419.jpg第7話に相当するパートは、乗組員たちが地球に残された家族たちとの最後の交信をし、お別れパーティである「太陽系赤道祭」を行うというお話で、伊東が本格的に物語に絡み、新見や藪たちの今後の行動に伏線を貼っていく。しかし戦闘も何も起こらない地味な艦内話だけで一本作れてしまうのが「ヤマト」だ。

第8話は打って変わってヤマトに最大の危機が訪れる。
デスラーの仕掛けた罠からどうやって脱出するか。その一方で戦闘中に沖田艦長が倒れるなど今後への波乱含みの、緊迫したアクション描写が秀逸。

第9話は「機械仕掛けの寓話」。
泣かせの音楽、泣かせの演出とシリーズ随一のあざとさを持った、番外編的な一篇。

そして第10話は再びヤマトが戦闘中に危機に陥るという話で、メルダというガミラス人との邂逅が旧作とは違う地球とガミラスの行く末を案じさせるものになっている。
まあリアルタイムで見ていた時は、まさかこんな結末になるとは思ってもみなかったのだが。

第二章までは旧作をトレースし、それに徐々に新しい要素を付け加えていたが、この第三章からはリメイクではない「宇宙戦艦ヤマト2199」という新しい作品を作るんだ、というスタッフの決意表明のようなものが窺える。
一部のファンたちは、この辺りで脱落したのではないだろうか。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/19036185/
https://odin2099.exblog.jp/20037421/
https://odin2099.exblog.jp/22336195/
https://odin2099.exblog.jp/23150130/



by odin2099 | 2018-02-26 21:54 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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