『君はウルトラマン80を愛しているか/検証・ウルトラシリーズ』
2006年 02月 10日
『帰ってきた 帰ってきたウルトラマン』、『僕らのウルトラマンエース』、『タロウタロウタロウ ウルトラマンタロウ』、『心にウルトラマンレオ』と<検証・第2次ウルトラブーム>と題したシリーズ物を出していたタツミムックの新刊です。題名は<検証・ウルトラシリーズ>と変更されましたが。
『ウルトラマン80』は結構リアルタイムで見ていたんですが、中学校の教師とUGMの隊員という二足の草鞋を履くという主人公の設定が、当時の『3年B組金八先生』などのブームに迎合しているようでイヤだったんですよね。
よしんば学校の先生という設定に拘るのならば、UGM隊員である必要性はなかったんじゃないかと。
例えば副主人公格のキャラクターを用意して彼(もしくは彼女)を隊員にするとか、隊長と個人的な知り合いなので事件が起きた時に協力する関係だとか、色々と持って行きようはあったんじゃないかと妄想するのですが、これは今だから許せるシチュエーションでしょうか。
また『ウルトラマンタロウ』や『ウルトラマンレオ』の頃の、悪いクオリティだけ受け継いでしまっているかのような脚本も散見され、見ていても素直に作品世界に入り込めないエピソードも少なくありませんでした。
勿論秀作もありますし、逆に『レオ』あたりとは比較にならないくらいクオリティのアップした特撮シーンなど見所も沢山あります。
それに主人公の矢的猛を演じていた長谷川初範も、好感が持てて大好きでした。
まぁそれよりも、ぶっちゃけた話、80のデザインがどーしても好きになれんのです!(爆)
あとは劇中年代が「1980年」というリアルタイムなのも、個人的にはマイナス・ポイント。
これは完全に個人の趣味の問題ではありますが、現実には起こりそうもない事件、は兎も角として、実際には実現していないテクノロジーなどを平気で出されてしまうと、どうしても白けてしまうのです。
これが「198X年」だとか、年代をぼかした近未来ということなら充分受け入れられるのですがね・・・。
等々、『ウルトラマン80』という作品に対する不満点ばかり挙げてしまいましたが、単独でこの作品を取上げた研究本は皆無ですし、資料的価値もありますので、シリーズのファンなら持っていても損はない一冊ではあります。
しかし!
『帰ってきた~』『A』『タロウ』『レオ』そして『80』・・・・・・何か忘れちゃいませんか?!
そうです!
早く『ザ・ウルトラマン』の検証本を出してくれェ~!!
アニメーション作品だということで不当に低く評価されていますけれど、これこそシリーズ中の最高傑作!
・・・とまでは言いませんが(苦笑)、自分の中ではかなり上位にランクインしている作品です。
次こそ頼みますよ、辰巳出版さん。
ちょうど小学3年生ですから、素直に楽しんでましたね。
で、今でも印象に残っているのは最終話、大和猛が変身しようと基地を出たときに、隊長が、
「待ちたまえ大和猛、いやウルトラマン80」
と呼び止めるシーンですね。
「地球の平和は地球人の手で守る」
といって、UGMの力で最強怪獣を倒すんですよ。
あの当時、何故ウルトラマン先生?後半は先生稼業はどうした?と思ったのも事実ですけど。
「史上最大の侵略」
「ウルトラ5つの誓い」
「明日のエースは君だ!」
「さらばタロウよ!ウルトラの母よ!」
「さようならレオ!太陽への出発」
「ウルトラの星へ!!」
・・・と続いてきた最終回のサブタイトル。
それがこの作品じゃ
「あっ!キリンも像も氷になった!!」
・・・だもんなぁ・・・。
DVD化されファミリー劇場でも放映中の「ウルトラマン80」ですが、見直してみると結構良作の話が多い作品ですね。
私のお気に入りの怪獣は、まずは宇宙Gメン85の話に出てきた残酷怪獣ガモス。性悪な小僧っ子のような面構えをした怪獣ですが(笑)、気に入っているというよりは気になる存在ですね。彼には一体どのような過去が・・・?まあ、これについてはまた後日に。
後はプラズマ&マイナズマ。とても仲の良さそうな兄弟ですが、彼らの素性についても気になります。心に残るというか考えさせられる話は、バラックシップとゴースドンの回です。
私は先生編以降に心に残る話が多いですが、何とか路線変更無しで続けられなかったものかとも思いますね。
TBSでは再放送がなかったのかな、ビデオでちょこちょこ観ただけなので、放送当時の記憶しかないんですよね(笑)。
でも、その頃期待していたウルトラマン像とは大きく異なる作風だったので、やっぱりシリーズとしては好きになれないかなあ・・・。