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『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017)

** ネタバレ注意! **

間接的?な続編としては「ザスーラ」があったが、本作はリメイク、リブートではなく「ジュマンジ」の正当続編。

物語は1996年からスタート。新たな「ジュマンジ」はボードゲームからテレビゲームに進化。
そして現在、学校で問題を起こし居残りさせられていた4人は、偶然見つけたコンピューターゲームを起動。するとたちまちゲームの中へ吸い込まれ、それぞれ自分が選んだアバターの姿になってしまう。

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017)_e0033570_22263039.jpg気弱なゲームオタクのスペンサーはマッチョな冒険家ブレイブストーン博士に、セルフィー大好きなうぬぼれ美少女ベサニーはデブなオヤジの地図専門家オベロン教授に、ガリ勉のマーサはセクシーな女戦士ラウンドハウスに、勉強はからっきしのアメフト部員フリッジはチビな動物学者フィンバーに。
危機に瀕しているこの世界を救うためには、盗まれた宝石をジャガー像に戻し呪いを解かねばならないというミッションを与えられ、4人は元の世界へ戻るべく、互いのスキルを活かしてゲームをクリアする冒険の旅へと出発する。

サイコロ振ってコマを進める双六や人生ゲームのような前作とは違い、今度はRPG。それって「ジュマンジ」なの?と思ったけど、二番煎じを避けるためには有効な改変なんだろう。
また前作では「こちら」にジャングルが出現したが、今回は「こちら」からジャングルへ移動する、という立場の違いも大きい。

シチュエーションを借りただけの名ばかりの続編かと思いきや、途中から登場したアレックス(実は1996年にゲームに囚われた少年)が前作でのアラン・パリッシュのオマージュキャラ。
おまけに彼が暮らしていたジャングルハウスは実はアランが住んでいた場所と言うことで、劇中にもしっかり「アラン・パリッシュ」の名前が出てくる。ちなみに悪役の名前がヴァン・ペルトというのも前作から踏襲した部分だ。

本作の肝はアバターという要素を導入したこと。
現実世界の自分とはほぼ真逆なキャラクターになったために、彼らは見かけに惑わされることなく、他人に対しても自分自身についても客観的・冷静的に分析し関係を結ぶことが出来るようになり、ゲームを通して成長する様がわかりやすく描かれることになった。

勿論それにはアバター役のドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケヴィン・ハート、カレン・ギランらと、その現実世界を演じたアレックス・ウルフ、マディソン・アイスマン、サーダリウス・ブレイン、モーガン・ターナーらの、似ても似つかぬ二人一役の好演があったればこそ。
中でもドウェイン・ジョンソンの思わぬ演技派ぶりと、ジャック・ブラックの怪演は文句なし。マディソン・アイスマンは作品次第ではこれから日本でも知名度があがりそう。

カレン・ギレンは名前に聞き覚えがありながら見覚えがなかったが、そうか、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のネヴュラか! 
特殊メイクで覆ってしまうには勿体ない美女で、アクションも行けそうだし今後ブレイクしそうだ。

見事にゲームをクリアしたアレックスを含めた5人は現実世界へ帰還を果たす。しかし周りを見回すとアレックスはいない。彼は20年前の世界に戻っており、そこで人生をやり直していたのだ。
このシチュエーションも前作を踏まえてのものだが、最後に4人は大人になったアレックスと再会。この際に双方がゲーム世界での記憶を共有しているというのは前作にはなかった部分。前作ラストでアランとサラは26年後にジュディとピーターと再会するものの、この姉弟は一緒にゲームをプレイしたのとは別の時間軸の存在だから、再会ではなく初対面だからだ。

最後に4人はゲームソフトを壊して終わるのだが、思わぬ大ヒットに続編の製作が決定。メインキャストは続投とのことなので、さてどのようにゲームを再開させるのだろうか。





by odin2099 | 2018-04-18 22:35 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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