『機動戦士ガンダム THE ORIGIN II/哀しみのアルテイシア』
2018年 04月 25日
わざわざオーディションを受けて決定、更にアフレコの際には一度OKが出たにも関わらず、自ら希望して録り直しを敢行、とその意気込みは買うものの、最近は頓に声に年齢が出てしまっているので、10代の若者の役としてはかなり厳しい。
特に同世代のキャラクターとして出てくる”本物の”シャア・アズナブルを演じている関俊彦と比較するとその差は大きいが、この辺りは神聖にして侵すべからざる領域なのだろう。
アルティシア・ダイクンからセイラ・マスに代わっても潘めぐみは続投で、こちらは無理のないところ。
ファーストガンダムでララア・スンを演じた潘恵子の娘がセイラ役というのは、完全に話題先行のキャスティングだろうと高を括っていたが、その微妙な健気さを表現した演技は大いに評価出来る。
もっとも、これは演出の関係もあるのだけれども、後の――つまり我々の知る――ファーストのセイラ、井上瑤の演じたセイラとはイメージが繋がらないという欠点もある。
まあ、これはハモンも同じだが。
ラストにはファーストガンダムでも回想シーンとして描かれたキャスバルとアルティシア、兄妹の別れがあり、流れてくる音楽も同じメロディ。
ファーストを知っていれば「ここで繋がった」と感慨も新たではあるが、やはりこの作品はファーストガンダムのプリークエル(前章)ではなく、あくまでも安彦良和の解釈によるリブート版。その違いを愉しむ余裕があるか、それとももどかしく思うか、それによって作品の評価も大きく変わってこよう。
<過去記事>
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