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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI/誕生 赤い彗星』(2018)

ルウム戦役、艦隊戦力において圧倒的に優勢とみられていた連邦軍だったが、ジオン軍が投入したモビルスーツ部隊の威力は目覚ましくドズルは艦隊戦を制し、敵将レビルを人質とする。
デギン公王はこの機に乗じて優位な条件で早期講和を望むが、ギレン総帥はこれを一笑に付し、国民に対して連邦への反抗意識を焚きつけていった。

デギンは密かにレビルと交渉、更にキシリアに望みを託すが、表向きデギンの意を組んだかのような行動をとったものの、実のところ彼女は連邦との戦争継続を望んでいた。だがその行き着く先はギレンとは違う。ジオン側の全権大使となったマ・クベにだけキシリアは本意を告げるのだった。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI/誕生 赤い彗星』(2018)_e0033570_22342167.jpg連邦とジオンとの間で休戦協定が結ばれようとしている最中、捕虜となっていたレビルが脱走し帰還。ジオンに対して徹底抗戦を呼びかけ、これを聞いたデギンを激高させるのだった。
その頃ドズルは、シャアに連邦のモビルスーツ開発計画=「V作戦」を探る任務を与える。時を同じくしてホワイトベースがサイド7へ入港しようとしていた。

ルウム会戦の働きでシャアは「赤い彗星」という異名を取り、南極条約、レビル将軍による「ジオンに兵なし」の演説…と続くとあたかも歴史ドラマを見ているかのよう。架空とはいえ40年近く慣れ親しんできた「機動戦士ガンダム」という作品の、本編では直接語られない背景(バックボーン)が遂に映像化されるということは、ある意味歴史ドラマを見ているのと同じようなものだろう。

100年、500年、1000年前の歴史の教科書に書かれている事象と、高々数十年前に作られたフィクション、それも”漫画”世界の作りごとを同列に扱うのは歴史に対する冒涜行為だと非難されそうだが、若い人にとって見ればどちらも自分にとって生まれる前のことであれば、さして抵抗のない考え方ではないだろうか。

ラストシーンに「And,now Gundam begins」とメッセージが流れ、このOVA版「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 」はひとまず完結。
機運が高まれば更なる続編製作の可能性も皆無ではないようだが、最後までガンダムが登場しない「ガンダム」物語、その稀有なプロジェクトの完走を先ずは喜びたい。




Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2018-05-11 01:25
タイトル : 『機動戦士ガンダム ジ・オリジンⅥ』トーホーシネマズ上野7
▲画像は後から。 五つ星評価で【★★今回のはつまらん】   なんつか『スター・ウォーズ』のエピソード3からエピソード4への橋渡しと言うか、やっと正史に繋げましたよというだけの映画になってた気がする。 映画の前半がルウム戦役、後半がその戦後処理と言ったところだろう。 前半のルウム戦役でのモピル・スーツの活躍は実に良い。こういう戦艦VSモビルスーツというフォーマットはあまりファー...... more
Commented by ふじき78 at 2018-05-11 01:22 x
今回、前回見れなかったモビルスーツ戦がやっと見れたという意味ではフラストレーションが解消したが、単に繋ぐための物語になっていて、そういう意味では面白くなかった。
これが最後ならオリジンとしての仕上げ「ああ、オリジンとはこういう一時代だったんだな」と思わせる幕引きにしてほしかった。って意味でこれは否定派です。
Commented by odin2099 at 2018-05-13 18:42
> ふじき78さん

おしまいが決まってるから、どうしても答え合わせみたいになってしまうのは仕方ないですね。
これで「オリジン」としてまだまだ続くというなら違った形もあったでしょうが、今回で打ち止めとなると本編へのリンクがどうしても必要となるし。

でも「スター・ウォーズ」のEP3じゃないですが、こういう切り口と展開、決して嫌いじゃないですよ。
by odin2099 | 2018-05-07 22:38 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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