『宇宙戦艦ヤマト』に続いて見直すべきは、やはり『科学忍者隊ガッチャマン』。
昨年秋から今年の初めにかけて
『Infini-T Force』として現代的アレンジを施されて復活したが、当時のままでも十分イケると思わせるだけのスタイリッシュな格好良さ、モダンさを持った作品だと改めて感じた。
ただこの劇場版は、独立した作品として見るとかなり辛い。
『ヤマト』と違って一本筋の通ったストーリーを持たない『ガッチャマン』だが、前半はG1号大鷲の健(ガッチャマン)をメインフューチャー。
秘密任務に従事するために自らの死を偽装した健の父親との再会と別れを抒情たっぷりに描き、一転して後半ではG2号コンドルのジョーの忌まわしい過去と復讐に燃える姿、そして余命幾許もないなかで仲間との絆を再確認する姿を、こちらも情感たっぷりに描いているのだが、如何せん時間がなさすぎる。
先ずはギャラクターが何者か、そしてそれに立ち向かう科学忍者隊とは何なのかを説明したうえで、科学忍者隊とギャラクターの対決、ガッチャマンの活躍を描き、それから健のドラマ、ジョーのドラマを2時間弱で描こうというのだから土台は無理な話。
健なら健の話だけで2時間ならばもっと映画として充実した内容になっただろうと思う。

そして
すぎやまこういちの音楽の素晴らしさ(演奏は
N響!)。
素晴らしすぎて『ガッチャマン』という作品には似つかわしくないものになってしまったのは誠に遺憾。
この後 すぎやま は『サイボーグ009』や『伝説巨神イデオン』、『
シリウスの伝説』などで見事なスコアを聴かせてくれるのだが、その原型がこの『ガッチャマン』にあり。
『ガッチャマン』には壮大なスケールよりも、むしろ軽快なサウンドが相応しい、という点でもこれはミスキャストだったろう。
そういった反省点を踏まえ、今一度『ガッチャマン』の総集編を作り直して貰えないものだろうか。
最初に書いたように、今のファンにも十分にアピールする内容だと思うし、その世界観に手軽に触れることが出来る総集編の需要はきっとあると思うのだ。
そしてその後はアニメファンにもあまり評価が高くないような『
科学忍者隊ガッチャマンII』と『
科学忍者隊ガッチャマンF』の総集編も是非!
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