日本にハロウィーンと宅配ピザが定着したのは『E.T.』のおかげ、という説があるそうな。
BMXの自転車も流行りましたねえ、あまりブームは長続きしなかったけれど。
でも個人的に一番カルチャーショックだったのは、エリオットが仮病を使ってる時に口に咥えてる体温計。
体温計って腋に挟むタイプのものしか知らなかった…。
そんなこんなも懐かしい不朽の名作、もう36年も前の作品になります。

同時期にスピルバーグはプロデュース作として
『ポルターガイスト』も手掛けていたことは、先に『ポルターガイスト』の項で書いたけれど、どうやらロケ地も同じ場所だったのだそうで。
なのでよく見ると見慣れた街並みが…と言いたいとこですが、アングルが違うせいか「あ、あの家だ」とはなかなかならない。
でもわかる人にはわかるのでしょうね。
あちらは夫婦円満、こちらは母子家庭という違いはあれど、共に郊外に暮らす子供たちを中心にした、いわば姉妹編。
『ポルターガイスト』は『未知との遭遇』のリメイク的要素がありますし、『E.T.』は『未知との遭遇』の形を変えた続編と呼べそうです。
物語の展開は意外に早く、開始15分でエリオットとE.T.は出会い、30分でマイケル、ガーティの兄妹とも仲良しに。
そしてエリオットとE.T.のシンクロは進み、学校での大騒動からE.T.が言葉を覚える件があり、通信機を組み立てようとするあたりでちょうど半分の60分が経過します。
ハロウィーンで外出するあたりから後半戦で、ここでE.T.を乗せたエリオットの自転車が空を飛ぶロマンティックなシーンが登場。
ただ急転直下、行方不明のエリオットに半狂乱になる母親、病気のエリオットとE.T.、それにE.T.を探していた政府の人間の登場、と畳みかけるような怒涛の展開となります。
そしてE.T.との哀しい別れ。
――と思いきや、奇跡が起こり、少年たちの反乱が始まるこの高揚感。
感動の涙が歓喜の涙に変わります。
この後の流れも、何度見てもグッとくるんだなあ。
続編を求められてもスピルバーグは首を縦に振らなかったようですが、これは正解。
基本「続編大好き、シリーズ化大好き」人間なんだけど、この作品にはいらないな。
そういや続編小説は刊行されたことがあったけど、なんだか微妙な作品だったっけ…。

ところで数年前、母親役のディー・ウォーレスはスピルバーグからヌードシーンを求められていたことを明らかにし、一躍話題になったことがありました。
その記事によれば、ヌードを要求されたのはエリオットが撒いたチョコレートに釣られたE.T.が家に来るまでのシーンで、それに対し「それは違うと思う」と抗議し、結局ベッドにうつ伏せになるという現行のバージョンに落ち着いたのだということなんですけど、ベッドにうつ伏せになるシーンなんてあったかなあ???
まあ何れにせよヌードシーンがあったら、少なくても親たちが子供たちを映画館へ連れて行くのをためらっただろうし、ここまで空前の大ヒットを飛ばすことはなかったでしょうね。
その反動(?)からなのか、『ポルターガイスト』の方では同じく母親役のジョベス・ウィリアムズには入浴シーンと、それに続くベッドで髪を乾かす場面で、騒霊によってシャツを捲りあげられパンティー姿を披露するシチュエーションが用意されている……。
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