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『聖闘士星矢/神々の熱き戦い』

一時期の<東映まんがまつり>のメインを張った、「聖闘士星矢」の劇場版第二弾。

『聖闘士星矢/神々の熱き戦い』_e0033570_22231366.jpg原作の枠組みを外れないように、という配慮というか遠慮が見えた前作に比べると、今回は思い切ってギリシャ神話の世界を離れ、北欧神話に材を採ったものになった。
番外編ということを考えてもこれは上手い手で、アテナと同等の実力者としてオーディンを担ぎ出したのもスケールの大きさを感じさせる。個人的にはゼウスならいざ知らず、アテナと対峙させるにはオーディンでは勿体なさすぎるとは思うが。
ソー(トール)あたりで十分なのでは?

沙織(アテナ)が敵に手中に落ち、青銅聖闘士たちは次々と倒れる。星矢が、紫龍が、氷河が、そして瞬が。
そのうちの瞬のピンチには兄の一輝が駆けつけ、一時は形勢逆転か?と思わせるものの、結局はより強大な存在の前に青銅聖闘士たちはボロボロに。

しかしここで最後の力を振り絞り、燃焼させた星矢のコスモに共鳴した黄金聖衣を身に纏い、一気に大逆転、ハッピーエンド!

…という劇場版のパターンは既に確立。
3作目以降はそれを逆手に取ったパターン破りも見られるようになるのだけれど、これは「水戸黄門」の印籠と同じで、「これがなけりゃ!」というものなんだろう。

全編を彩る重厚な横山菁児の音楽に、流麗な荒木伸吾&姫野美智作画に酔い痴れるが、よくよく見ると作画のパースが狂ってたり、プロポーションがおかしかったり、デフォルメがきつかったりあるのだけれども、それが気にならないくらいのパワーがある作品でもあった。

【ひとりごと】
ドラマを盛り上げるためもあるんだろうけど、星矢の決断、遅すぎ。
あれじゃみすみすフレイを見殺しに…。

<過去記事>



by odin2099 | 2018-06-30 22:26 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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