<第三次ウルトラブーム>に乗じて公開された劇場版第3弾。
今度は第8話「
怪獣無法地帯」、第3話「
科特隊出撃せよ」、第2話「
侵略者を撃て」、第16話「
科特隊宇宙へ」、第25話「
怪彗星ツイフォン」と人気怪獣・宇宙人が登場するエピソードをセレクトした娯楽編。

映画はいきなりM78星雲ウルトラの星を目指すウルトラマンの姿から始まる
。光の乱舞する中でウルトラの星に到着したウルトラマンは、ファミリーの待つウルトラタワーへ。地球に危機が迫っている。これに対処するのは誰か。名場面に乗せて歴代戦士たちの活躍ぶりが紹介される。
このシーンでは現在放送中のアニメ版「ザ・ウルトラマン」の主人公ジョーも新造された着ぐるみで参加し、怪獣との対決シーンがわざわざ撮り起こされている。
単にTVドラマを繋いだだけじゃないんだぞ、というファンサービスぶりが嬉しい。
これらデモンストレーションを経て、長老ウルトラマンキングが選んだ戦士は――ウルトラマン。ここから本編が始まるが、ここまでで結構満足度は高かった。新作見に来て良かったなあと素直に思えたもの。
実際、本編が始まると見慣れた画面のオンパレードになってしまうので、何となく退屈してしまったのも事実だったりして。
各話の繋ぎには新撮シーンを挟むなど、実は飽きさせないための工夫はなされており、また初代バルタン星人との対決シーンは、オリジナル版だと空中戦のみなので一回地上に落下するショットを挿入してから、わざわざ地上で戦う場面を撮り足したりしてるのだけれども、ウルトラマン、バルタン星人共にオリジナルとの造形上の落差が大きすぎて、イメージが持続しないという欠点もあったりして。
それでも
「実相寺ウルトラマン」が主題歌の新録程度のお色直しだったのに対し、新しい映画を見たなという満足度はこちらの方が高かったのは確か。
同時期に日本公開になった
「スーパーマン」を多少意識したかのような画面作りも、決して悪いとは思わない(そういや
「スーパーマン対ウルトラマン」と煽る記事を幾つか見たな)。後はもうちょっと映画らしい終わり方をしてくれてればもっと良かったのだけれども。
ところでこの作品の監督は宍倉徳子で、オープニングクレジットでも「監督:宍倉徳子」と出る。
ところがエンドクレジットでは「監督:円谷一/飯島敏弘」との表記。
要するに元になったTV版のエピソードの監督は円谷・飯島両氏だけれども、映画としてまとめたのは宍倉監督ということなのだが、事情を知ってるファンならともかく一般的には誤解を招きかねないので、何か工夫が欲しかったな、と思う。
他のウルトラシリーズの再編集映画では、あくまでも「使用映像」の監督として別クレジットになっているだけに。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/2877594/