『ミクロの決死圏』
2018年 07月 20日
それでも実際に小さくなって、この目で人体を直接見てみたい、という研究者などはいるのでしょうね。
自分はミクロはおろかアントマンくらいのサイズでも小さくなりたいとは思いませんし、タイムリミットがあるなら例え難病だったとしても自分の体内に入れるのも躊躇しちゃいますが。
この映画の原題は”Fantastic Voyage”ですが、確かに幻想的な旅行ではあります。また「ミクロの決死圏」というのも意味不明な面は否定しませんが、それでも秀逸な邦題であろうと思います。この題名に落ち着くまでは紆余曲折あったようですが、少なくてもこれまでにはなかったジャンルの映画なので、苦労も多かったのでしょう。

娯楽映画としての特徴は、何といっても乗組員の紅一点ラクウェル・ウェルチ。
彼女だけ潜水服への着替えのシーンがありますし、他のメンバーは下にシャツを着ているのが見えますが、彼女は胸元をざっくり開けています。おまけに他のメンバーに比べ、明らかにサイズが違うピッチピチでボディラインを強調。それはカメラアングルにも反映されているような。
そして特筆すべきは潜水艇に絡みついた抗体を剥がすため、船外に出て作業するシーン。何故かその抗体は他の乗組員を差し置いて彼女の身体にのみビッチリと絡みつき、締め付けて行きます。
ミクロ化していられる時間は60分ということで、この映画はタイムサスペンス物の妙味もあります。
彼らは時間内に妨害工作にめげず、未知の体内という空間でのアクシデントを回避し、見事にミッションを遂行できるのか。
丁度メンバーがミクロ化を完了し「あと60分だ」という台詞が出てくる頃、映画そのものも残り時間がほぼ60分なので、観客はリアルタイムでハラハラドキドキを愉しむことも出来ます。
<過去記事>