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『スター・トレック』

『M:i:III』で劇場監督デビューしたJ・J・エイブラムスの2作目の監督作品。
この後『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の監督も務め、結局それ以降の<ミッション:インポッシブル>、<スター・トレック>、<スター・ウォーズ>の3シリーズ全ての製作に携わるあたり、正に「シリーズの立て直し屋」と呼ぶに相応しい。
しかしハリウッドには他に人材がいないのか?

『スター・トレック』_e0033570_19505822.jpg<スター・トレック>は最初のTVシリーズ(『宇宙大作戦』)のキャストを使った映画が6本、『新スター・トレック(ネクスト・ジェネレーション)』のキャストに交代して4本作られ、これが通算11作目。
再びカーク、スポック、マッコイら最初の『宇宙大作戦』のキャラクターたちが主人公としたが、キャストは一新。
といってもリメイクやリブートではなく、従来の時間軸上の世界から過去へタイムスリップしたことで歴史が分岐した、要するにパラレルワールドが舞台になっている。

しかもこの世界には時空を超えてオリジナルのスポックも存在する。
新旧二人のスポックが出てくるのだ。
映画の終盤ではオリジナルのスポック=レナード・ニモイと新たな(若き)スポック=ザッカリー・クイントの対面シーンもある。
カークの父の生死やエンタープライズ号の船長の系譜など、既に従来の『宇宙大作戦』とは違う歴史を持つ世界なのだ。

別の役者が同じキャラクターの過去と現在を演じる場合、やはりどこまで似てるのかは重要な問題だ。
最近では『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で有名キャラクターの若き日の姿が登場したが、同様にこの作品ではカークとしてクリス・パイン、スポックには前述のザッカリー・クイント、マッコイ役にはカール・アーバン、ウフーラはゾーイ・サルダナ、スコット役サイモン・ペグ、スールーにはジョン・チョー、そしてチェコフ役としてアントン・イェルチンが起用されたが、何れもオリジナルキャストとは似ても似つかない。

老スポックは一目見て若きカークもスコットも認識できたし、今回の悪役であるロミュラン人のミロもカークを捕まえ「この顔は知っている、地球の歴史で見た!」と叫んでいるからオリジナルキャストと新キャストは当然ながらソックリという設定なのだろう。
だがパラレルワールドを言い訳にすれば、ザッカリー・クイントが長じてレナード・ニモイになる必要もなければ、ウィリアム・シャトナーとクリス・パインがイコールでなくても問題にはならない。
そもそも老若二人のスポックが同時に存在しているくらいなのだから、似て非なる世界のもうひとりのカークたち、と自分を納得させる余地がある。

しかし『ハン・ソロ』ではそうはいかない。
明確に『スター・ウォーズ/新たなる希望』の過去の物語だと規定されているからだ。
オールデン・エアエンライクはハリソン・フォードに、ランド・カルリジアン役のドナルド・グローヴァーはビリー・ディー・ウィリアムズに見えなければならないのだが、残念ながら違和感しか覚えなかった。
長寿シリーズを活性化させるにあたっての難しい課題と言えるだろう。

シリーズそのものに強烈な思い入れがないこともあってか、J・J・エイブラムスの仕切り直し作品群の中にあっては本作が一番面白い。
集団劇なので主要キャラクターだけでも相当な数に上るが、それらも上手く捌き、今後の展開にも大きな期待を持たせる締めくくり。
J・J・エイブラムスには<スター・ウォーズ>よりも、こちらの<スター・トレック>に本腰を入れて欲しいとさえ願っている。

この作品以降は2本の続編が作られ4作目(通算14作目)も準備中とは伝えられているものの、今のところ具体的な製作・公開のスケジュールは聞こえてこない。
クエンティン・タランティーノが脚本執筆中との声もあるが、他にも幾つかアイディアは検討されているようで、その中の一本が時空を超えてカークと父が邂逅するものだと伝えられている。

カークの父は本作の冒頭で殉職したが、そのカークの父を演じていたのがこれが劇場映画デビューだったクリス・ヘムズワース。
ということで次回作で”クリス・フォー”のパインとヘムズワース、二人のクリスの本格的共演がはたして実現するのかどうかも楽しみに待ちたい。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/10344143/
https://odin2099.exblog.jp/23522108/


by odin2099 | 2018-07-22 20:02 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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