最新作が2015年に製作・公開されて以降、現在シリーズは小休止中。
ダニエル・クレイグが降板するのか続投するのかでだいぶヤキモキさせていたけれど、結局は復帰が決定。
いよいよ来年には新作が作られ、それが勇退作となるとの専らの噂だが、果たして有終の美を飾れますかどうか。
そしてクレイグの後にボンドを演じる俳優が7代目となるので、「
7代目007」はかなりのプレッシャーになるだろう。
まあ新作が見られるのは当分先だし、久々にシリーズ1作目が見たくなったので…。
オープニングのガンバレルは既にこの作品から。
リアルタイムで見ていた観客は、何が始まったんだろう?と驚いたんだろうな。
そしてすぐに「ジェームズ・ボンドのテーマ」と共にタイトルが出る。
後のシリーズとは多少趣きが違うものの、既にシリーズとしての骨格は出来上がってるのが素晴らしい。
ボンドの初登場シーンで早速"
Bond, James Bond"の名乗りが登場。
またMのオフィスに呼ばれたボンドが、部屋の奥にある帽子掛けに自分の帽子を投げて掛けるシーンも、以後のシリーズでの定番に。
こうしてみるとスタッフはこの時点でシリーズ化を考慮していたのだろう。
そういう意味ではこの映画にないのは、エンドクレジット中の”James Bond will return.”の文句だけといっても良いかもしれない。
この映画で最初にボンドのお相手となるのは、初登場となるカジノのシーンにいたシルビア・トレンチという妖艶な婦人。
演じていたのは先月惜しくも亡くなったユーニス・ゲイソンで、実は次回作にも彼女は登場。
当初はレギュラーキャラクターとして考えられていたようだ。
ちなみにユーニス・ゲイソンはショーン・コネリーよりも2歳年上だが、コネリーの方が貫録がある。
二人目のお相手は総督官邸の秘書ミス・タローで、実はボンドの見張り役。
中国系の女性キャラという設定だが、演じているゼナ・マーシャルはケニアのナイロビ出身とか。
この人もコネリーより4つも上だが(既に故人)、やはりそうは見えない。
映画が始まって1時間経ち、やっと登場するのが正ヒロインのハニー・ライダー。
演じているのはダイナマイト・ボディの持ち主ウルスラ・アンドレスで、彼女はコネリーより6つ下。
美人は美人だが、改めて見るとなかなかゴツい顔立ちなせいか、これまた逆の意味でコネリーとの年齢差は感じさせない。
ノーブラにシャツ一枚で水に浸かった後ろ姿を披露してくれるが、正面を向くと服が乾いていたり更にいつの間にかブラを付けていたり、放射能除去で洗浄されるシーンでも服を全部脱がされた筈がちゃっかり水着を着用していたり、と露出が多いんだか少ないんだか。
お話の方も演出の方もかなり大雑把。
白昼堂々襲い掛かる暗殺者、その手口は実に荒っぽいし、襲われる側も資料管理が杜撰。
ボンドが宿泊するホテルもセキュリティが甘すぎだし、大言壮語したもののドクター・ノオの最期は実にあっけない。
とはいうものの、半世紀以上も前の作品。低予算で作られたことなども考慮すれば、一級の娯楽作品であることは間違いない。
<過去記事>