バミューダ沖でダイビングを楽しんでいるデビットとゲイルのカップルは、偶然難破船から小さなガラス瓶とスペイン金貨を発見する。
なおも宝探しに興じる二人だったが、怪しげな男たちに付き纏われ、やがて恐るべき体験をすることになる――!
『JAWS/ジョーズ』に続いて
ピーター・ベンチリーの小説を映画化したもので、監督はピーター・イェーツ。
出演はロバート・ショー、
ジャクリーン・ビセット、ニック・ノルティ、イーライ・ウォラック、ルイス・コゼットJr.ら。
記憶違いをしていて、この作品は『ジョーズ』と同じプロデューサーやスタッフ陣かと思っていたのだが、あちらはユニバーサル・ピクチャーズ、こちらはコロムビア・ピクチャーズで全くの別物。
『ジョーズ』の大ヒットに肖った、柳の下に泥鰌が…の一篇だった。
ちなみに本家『ジョーズ』の続編が登場するのはこの翌年のことだ。
同じ海を舞台にはしているもののお話は『ジョーズ』とはまるで違い、海底に眠るお宝を巡って善人悪人入り乱れるクライム・アクション。
主人公たちがウツボやサメに襲われるシーンはあるものの(本物を使ってるそうだ)、『ジョーズ』のようなモンスター映画ではない。
ロバート・ショーは原作者のご指名により『ジョーズ』に続いての出演。
かなり尊大で鼻持ちならない奴だったあちらと違い、こちらでは頼れる海の男。
といっても主人公にとって敵か味方か判然としないという、一癖も二癖もある役どころだ。
何度も危険な目に遭いながらも危険に飛び込んでいくカップル(新婚夫婦と書いてる粗筋を幾つか見かけたが、劇中の描写によればまだ結婚はしていない。婚約はしてるのかもしれないが)の男性デビットを演じたのは、無名時代のニック・ノルティ。
一応の主人公だが、利己的で全く感情移入できない。
それに対してヒロインのゲイル役のジャクリーン・ビセットの素晴らしいこと。
冒頭からノーブラのTシャツ一枚でのダイビングシーンを披露。
当然ながら豊満なバストがクッキリハッキリ。
その後も悪人に捕まりボディチェックをされ、自らシャツとブラを取ってみせるシーンや、シャツを切り裂かれ素肌に鶏の血を塗られるシーンなどセクシーショットの連発。
なまじのヌードよりもエロティックかもしれない。
お宝の価値が今一つわからなかったり、水中でのアクションが多いのでどうしても動きがゆったり、そして映画そのものの展開もスローモーになってしまっているし、本物のサメやウツボの投入も、主人公たちにとっては恐怖でも、それを見ている観客にはその緊迫感や恐怖感がなかなか伝わらないというもどかしさもあるので何となく締まらない出来ではあるのだが、なんといってもこの映画最大の見せ場はジャクリーン・ビセット。
彼女が光り輝いていれば、それで良いのだ。